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第五十二話 偵察が来ました。

「今週は沢山のご新規のお客様に来て頂いています。

 今日も一日頑張りましょう!」

「はい!」


 アゼルの朝礼の挨拶も気合が入っている。

 あたし、レイちゃん、ミクちゃんの返事も力が入った。

 マリー様と四銃士様、ご来店の噂を聞きつけて新規のお客様が次々と訪れているのだ。

 今日は土曜日、普段でもお客様が多いので、嬉しい悲鳴だけれど怖くもある。


「ようこそ! メイド喫茶『オスティウム』へ!」


 オープンアタックは安定のシロちゃん。

 そして、続々と女性のお客様が入店してくる。

 外には行列が出来てしまった。




※ ※ ※ ※ ※




 夕方すぎ一度落ち着いた所。

 男性4名の来客があった。


「ようこそ! メイド喫茶『オスティウム』へ!」


 あたしがテーブルに案内すると4人組は、カラアゲとオムライスを1人1つずつ注文した。

 4人共40代ほどで落ち着いた紳士と言った感じだ。

 カラアゲとオムライスをフムフムと頷きながら食べている。


「この料理は誰が作っているのかね?」


 4人組の1人が聞いてきた。

 

「カウンターの中に居る猫紳士の手料理になります」

「ほう。料理の腕前は一流、そして、この料理は初めて食べるよ」

「ありがとうございます!」


 あたしは、料理を褒められたのでアゼルをテーブルに呼んできた。


「あ、ありがとうございます!」


 アゼルは少し緊張してお礼を言った。


「美味しかったよ。

 これからも頑張ってくれたまえ」




※ ※ ※ ※ ※




 4人組はワンタイムで他のお客さんに邪魔にならないようにと帰られた。

 閉店後アゼルに話しかけた。


「アゼル。今日は緊張してたわね」

「当然さ!」

「え? どうして?」

「どうしても、こうしても、ないさ。

 あの4人組は三ツ星レストラン『ポルト・ド・クリニャンクール』のトップシェフだよ」

「え? シェフ? 三ツ星?」


 なんかすごそうなレストランの名前だし三ツ星!


「まさか、三ツ星レストランのトップシェフに褒められる日が来るなんて思わなかったよ」


 アゼルは、とても嬉しそうに言った。


―――――――――――


10月12日(土)


メイド喫茶『オスティウム』


 料金 1時間1980デジ 延長30分ごと950デジ


 売上

  日別 194300デジ

  月別 1555060デジ

  年別 3233880デジ


 席数

  28席

  カウンター 6

  テーブル 24


 メニュー

  オムライス(メイドのお絵かきあり) 1000デジ

  オリカク  1500デジ

  メイドドリンク 1000デジ

  チェキ   800デジ

  初心者セット1500デジ

  カラオケリクエスト 1000デジ


  カラアゲ 500デジ


 メイドの心得


  メイドの心得1。

  お客様のプレゼントに遠慮はしない。代わりに全力で喜ぶ。

  メイドの心得2。

  お客様の事は、お客様から話をされるまでは詮索しない。


―――――――――――

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