第四十二話 新人メイドのレイちゃん。
今日はレイちゃんがシフトにはいっている。
なんだか、あたしよりもベテランらしく振る舞っている。
そして小柄で色白で黒髪のショートはメイドとしてもパーフェクトな容姿だ。
「レイちゃん、以前にどこか飲食店で働いてたの?」
「いえ、とくに」
レイちゃんは静かに短く返事した。
この謎めいた感じも、これはこれでいい。
その時、入り口の呼び鈴が来客を知らせた。
「へぇ~、ここがメイド喫茶ねぇ」
「はい、兄貴、最近話題になってる場所です」
いかにもガラの悪い二人組が入ってきた。
ワニの亜人とライオンの亜人だ。
あたしがご案内に行こうとしたらレイちゃんが先に動いた。
「いらっしゃいませ。こちらへどうぞ」
「へぇ~、おねえちゃん、かわいいな」
そう言うとワニの亜人は、レイちゃんのお尻へ手をのばした。
「いたたたたた!」
レイちゃんはそっとワニの亜人の腕をねじりあげていた。
「お客様。ご案内遅くなり申し訳ありません。
メイドへ触れる行為は禁止されております」
「わ、わ、わかった。
す、すまない」
「それではお席へどうぞ」
レイちゃん。
強い……。
カウンターの中から飛び出そうとしていたアゼルもポカンとしていた。
その後は、二人組の相手はレイちゃんが対応していた。
謎の美少女レイちゃん……。
※ ※ ※ ※ ※
結局、二人組はレイちゃんにハマってしまい。
オリカクやチェキを大量に入れていた。
レイちゃん、すごい……。
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10月2日(水)
メイド喫茶『オスティウム』
料金 1時間1980デジ 延長30分ごと950デジ
売上
日別 96080デジ
月別 174620デジ
年別 1853440デジ
席数
28席
カウンター 6
テーブル 24
メニュー
オムライス(メイドのお絵かきあり) 1000デジ
オリカク 1500デジ
メイドドリンク 1000デジ
チェキ 800デジ
初心者セット1500デジ
カラオケリクエスト 1000デジ
カラアゲ 500デジ
メイドの心得
メイドの心得1。
お客様のプレゼントに遠慮はしない。代わりに全力で喜ぶ。
メイドの心得2。
お客様の事は、お客様から話をされるまでは詮索しない。
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