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第三十八話 小さな女の子がご来店しました。

 今日も変身スキルでパッとメイドに変身して一階のお店へと向かった。

 

「いらっしゃいませ!」


 オープンアタックは今日もまたシロちゃんだ。

 

「こちらへどうぞ」


 シロちゃんはいつものカウンター席へ座った。

 今日は土曜日。

 入り口の呼び鈴がお客様の来店を知らせた。


「いらっしゃいませ」


 男性に、手をひかれて入ってきたのは小さな女の子。

 メイド喫茶には親子連れも来ることがあるのだ。


「いらっしゃいましたぁ!」


 女の子は元気よく挨拶した。


「どうぞ。こちらへ」


 テーブルの席へ案内すると女の子は楽しそうに椅子へ座った。

 

「お嬢様。お名前をうかがってもよろしいですか?」


 女の子に名前を聞くと元気よく答えた。


「アイラ!」

「アイラちゃんね。あたしはマミ、仲良くしてね」

「いいよ!」


 オープンから1時間はシロちゃんと親子だけだったのでアイラちゃんと沢山お話することが出来た。

 アイラちゃんは終始楽しそうだった。

 お店を出る時に「帰りたくない」と駄々をこねてお父さんがちょっと苦労していた。


 アイラちゃん親子が座っていたテーブルを片付けていると小さな紙が置いていた。

 たどたどしい字で裏に何か書いてある。


「マミ。きょうは、ありがとうございました。わたしもメイドになりたいです」


 アイラちゃんが残していったものだ。

 

「アイラちゃん。ありがとう」

 

 思わずあたしも言葉に出してしまった。


―――――――――――


8月28日(土)


メイド喫茶『オスティウム』


 料金 1時間1980デジ 延長30分ごと950デジ


 売上

  日別 116400デジ

  月別 1456030デジ

  年別 1456030デジ


 席数

  28席

  カウンター 6

  テーブル 24


 メニュー

  オムライス(メイドのお絵かきあり) 1000デジ

  オリカク  1500デジ

  メイドドリンク 1000デジ

  チェキ   800デジ

  初心者セット1500デジ

  カラオケリクエスト 1000デジ


  カラアゲ 500デジ


 メイドの心得


  メイドの心得1。

  お客様のプレゼントに遠慮はしない。代わりに全力で喜ぶ。

  メイドの心得2。

  お客様の事は、お客様から話をされるまでは詮索しない。


―――――――――――

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