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第二十三話 集客をしよう。

「アゼル。そろそろお客さんを呼び込んでいってもいい頃だと思うの」

「そうだね。マミ。お店も回ってきたし売上を少しあげられれば人も雇えるしね」

「そうなの。そこで看板を入れ替えましょう!」

「看板?」

「そう看板」

「今も看板はついてるよね?」


 アゼルは不思議そうに言った。

 そう、看板自体は小さな物がついている。

 しかし、まったく目立たないので、この看板を目立つようにしたら集客出来ると踏んでいたのだ。

 今までは仕事に慣れるためにあえてそのままにしていた。

 慣れていない状況で、メニューも整っていない状態で新規のお客さんが増えるとクレームになるだけだ。

 けど、今は違う。

 今こそ新規のお客さんを呼び込む時だ。


「アゼル。看板を夜でも目立つようにピカーっとか光るように出来ないかな?」

「うーん。そうだね。光りの魔法と炎の魔法をうまく組み合わせれば出来るかな?」

「さっすがアゼル! さっそくやりましょう!」


 入り口の上に扉よりも一回り大きい板を横にして

 メイド喫茶『オスティウム』

 とアゼルの炎の魔法で印字してもらった。

 アゼルの魔法はいつ見ても鮮やかだ。

 その看板に更に、光り魔法で文字を輝くようにして、看板の両端にランプをつけると魔法で炎を灯した。


「この文字の光りとランプの炎は一ヶ月は持つかな?」


 アゼルはさらりと言った。


「ほんと、すっごいわね。アゼル」

「いやー、こういう魔法は得意でね」




※ ※ ※ ※ ※




 看板はお昼でも文字の光とランプの明かりで目立っていた。

 日が暮れてくると尚更、看板は暗い街なかで存在感が際立った。

 看板を見て新規のお客様が5名も来てくれた。

 売上も7万デジを越えた。

 看板の力は偉大だ。


―――――――――――


9月17日(火)


メイド喫茶『オスティウム』


 料金 1時間1980デジ 延長30分ごと950デジ


 売上

  日別 77850デジ

  月別 412100デジ

  年別 412100デジ


 席数

  28席

  カウンター 6

  テーブル 24


 メニュー

  オムライス(メイドのお絵かきあり) 1000デジ

  オリカク  1500デジ

  メイドドリンク 1000デジ

  チェキ   800デジ

  初心者セット1500デジ

  カラオケリクエスト 1000デジ


 メイドの心得


  メイドの心得1。

  お客様のプレゼントに遠慮はしない。代わりに全力で喜ぶ。

  メイドの心得2。

  お客様の事は、お客様から話をされるまでは詮索しない。


―――――――――――

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