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第二十一話 メイドドリンクはじめました。

「またまた新メニュー投入です!」

「おお!」


 パチパチと手を叩く。

 アゼルは慣れたものだ。

 

「今回はメイドドリンクです!」

「おっ! それなら僕もわかるよ。メイドさんが作るドリンクだね」

「それ、もうあるオリカクでしょ」

「あーあ、そっかぁ」

「メイドドリンクは、お客様のメイドさんへの差入れドリンクです!」


 あれ? アゼルがいつものように手放しで喜ばない。

 アゼルは一瞬考えて言った。


「それって、もしかしてマミが飲みたいだけなんじゃあ……」

「ち、ちがうわよ! お客様のメイドさんへ何かしてあげたいという願望を叶えるためのアイテムなのよ」


 実は、自分も飲みたいというのもあるし、なんならフードも食べたい。

 けど、フード食べちゃうと現実世界だと風営の1号取らないといけないのよね。

 まあ、この異世界にそんな法律は無いだろうけど、許可とかはあるみたいだし念の為、フードはやめておこう。


「まあ、僕もお客さんからドリンク飲んでなんて言われて飲むことあったし、やってみようか」




※ ※ ※ ※ ※




 新メニューを投入するとシロちゃんが必ず注文してくれる。

 ほんとシロちゃんは白い仮面の紳士様だ。

 最近は白い仮面の王子様ぐらいに感じてる。


 やっぱり、日曜日のメイド喫茶の売上はいい。

 通常の飲食店だと売上が下がるんだけど、メイド喫茶はなぜか日曜日の売上がいいのである。

 ちなみに私が働いていた東京都内だとゴールデンウィークやお盆の売上は通常の飲食店はガタ落ちするのに、メイド喫茶は賑わっているのだ。

 この異世界でも人の動きは変わらないようだ。


 2人でやってるお店としては及第点の売上に近づいてきた。

 今日の売上は59400デジ。

 人件費、家賃、仕入れ代金、他かかる費用諸々引いて13460デジ残る計算だ。

 せめて70000デジあればお店の売上としては十分だ。

 そして、新たに人を雇い入れないといけなくなってくる。


―――――――――――


9月15日(日)


メイド喫茶『オスティウム』


 料金 1時間1980デジ 延長30分ごと950デジ


 売上

  日別 59400デジ

  月別 59400デジ

  年別 269140デジ


 席数

  28席

  カウンター 6

  テーブル 24


 メニュー

  オムライス(メイドのお絵かきあり) 1000デジ

  オリカク  1500デジ

  メイドドリンク 1000デジ

  チェキ   800デジ

  初心者セット1500デジ

  カラオケリクエスト 1000デジ


 メイドの心得


  メイドの心得1。

  お客様のプレゼントに遠慮はしない。代わりに全力で喜ぶ。

  メイドの心得2。

  お客様の事は、お客様から話をされるまでは詮索しない。


―――――――――――

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