第十三話 守らないといけないメイド喫茶のコンセプト。
「アゼル明日からあれをかぶって」
お店のオブジェとして壁に飾られていた猫のお面。
ふさふさ、もふもふの毛も再現されているけっこうリアルなやつ。
これをアゼルに営業中は、かぶってもらう。
「ええ! なんで! 僕の見た目がダメなのかな?」
「ううん。違うの」
お世辞じゃなくアゼルの顔立ちはなかなか整っている。
「それじゃあ、なんで?」
「それはね。お店のコンセプトを崩さないため男性の存在は隠した方がいいの」
「へー。そうなんだ」
「お店によっては妖精さんなんて言って男性スタッフが常駐してるけど、やっぱり夢が崩れちゃうのよね」
「ふーん。そんなものなんだ。
僕が気に入って買ってきて飾ってるお面だし、
お店のためならやるよ」
アゼルはそう言うと猫のお面を被った。
黒いスーツの猫仮面。
うん、おとぎの国に来たみたいでいい感じ。
「マミ、これで大丈夫かなぁ?」
「アゼル、似合ってる!」
「ありがとう」
猫耳と尻尾のついたメイドのあたしと黒服スーツ猫仮面。
なんだか猫推しのメイド喫茶のようだけどアリよね?
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この日は、白い仮面のスーツ紳士様。
飲み放題と聞いてお酒を飲みにやってきた新規のお客様2名様。
アゼルあらため黒服スーツ猫仮面は、白い仮面の紳士様に「いいね」と言ってもらえた。
新規お客様2名様は酔っていたので面白がっていた。
「アゼル、また明日から変更したい事思いついたわ!」
さすがにアゼルもちょっと警戒しているようだ。
「うん。何かな? まずは聞こう」
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9月7日
メイド喫茶『オスティウム』
料金 1時間1980デジ 延長30分ごと950デジ
売上
日別 9740 デジ
月別 11720 デジ
年別 0 デジ
席数
28席
カウンター 6
テーブル 24
特徴
オムライス(メイドのお絵かきあり)
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