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第十話 ノーゲスでした。

 今度こそお客様よね?

 慎重に。

 慎重に。


「メイド喫茶『オスティウム』へ、ようこそ!」


 入口の大きな男性は、一瞬驚いた。

 手に持っていた木箱を下に置いて言った。


「ちわー。酒屋です。今日はもうオープンなんですね?」


 またもや。

 早とちり。

 酒屋さんだって……。

 恥ずかしい。


 よく見ると2メーター越えの巨体。

 巨人族?


「あー、ごめん、ごめん。

 今日から15時オープンだった。明日からは14時あたりにお願い出来るかな?」


 アゼルは気さくに言った。

 

「この子はマミ。今日からこのお店はメイド喫茶になったんだ」


 アゼルは酒屋さんに説明した。


「へー。メイド喫茶。よくわからんがウチは酒仕入れてくれたら歓迎だぜ」


 酒屋さんはそう言うと、いそいそと出ていった。




※ ※ ※ ※ ※




 結局、閉店までお客さんが1人も来ることは無かった。

 一日中、清掃してアゼルからドリンクの種類について教わって一日が終わった。

 いわゆるコン喫業界で言う「ノーゲス」と言うやつだ。


 そうなのよね。

 お店って開けたら自動的にお客さんが来ることは無くって、最初は知り合いに来てもらったり、宣伝したり、とにかく集客しないと誰も見向きもしない。

 こんなことはわかっていたこと。


 まずは明日から1つずつメイド喫茶として必要なものを作っていこう。

 本来であればオープン前に全て準備してオープン日をむかえるものだけど、そうも言ってられない。

 足りないものだらけ。

 

 アゼルは一日中ケチャップの作り方について試行錯誤していたようだった。

 オープンしたのにお店としてのテイをなしていないなんてお客様から怒られそうだけど意外に実情はこんな感じで、準備万端で臨む方が珍しかったりするのだ。

 飲食店オープンのあるあるなのだ。


 明日から1つずつ確認してメイド喫茶に必要なものを作り上げていこう。

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