兄と妹と妹の友達
次の日、俺はいつも通り自分と妹の朝飯を作っていた。
「チリチリリン♪」
玄関のベルがなり、俺は妹に出てもらおうとするが妹は寝ているのか反応がない。
「チリチリリン♪」
二度目のベルがなり、仕方なく俺が出迎えた。
光宗「はいはい!今行きますよ。どちらさま?」
玄関の扉を開くとそこには琴音と同い年くらいの可愛らしい女の子が立っていた。
咲来「おはようございます!わたし琴音ちゃんのお友だちの倉田咲来と言います。琴音ちゃんはいますか?」
妹の友達とは思えないほど礼儀正しい女の子のあいさつを聞いた俺は、少し動揺気味に妹を呼びにいこうとした。
光宗「えっと…さくらちゃんだっけ?ちょっと待っててくれ今琴音のやつ呼んでくるから。……うん?さくらちゃん!?もしかして、小学校の時琴音と同じ音楽スクールに通ってたあのさくらちゃん?」
俺の妹琴音は、昔音楽スクールに通っていた時期があった。その頃かなり仲が良く、よく家に遊びに来ていたさくらという女の子がいたことを思い出した。
咲来「は、はい!覚えててくれたんですかお兄さん?……嬉しいです。」
光宗「あぁ、今思い出したんだ!……っと、そうだ!妹を呼びにいこうとしたんだったな、ちょっと待っててくれ。」
俺は琴音を呼びに部屋にかけていった。妹の部屋の扉には女の子らしくアルファベットで名前が書かれたハート型の掛札が掛けられていた。妹の扉を三回ノックすると、ゆっくりと扉が開き中から妹が出てきた。
琴音「……なに、お兄さん?こんな朝早くに。」
光宗「もうお昼だよ…お前の友達が遊びに来てるぞ!」
明らかに寝起きの状態の妹に友達が遊びに来ていることを伝えた。
琴音 「うっそ!?マジもう来たの?」
妹は慌てて玄関にかけていった。妹が友達を部屋にあげると、俺は軽くお辞儀をしてリビングに戻った。二階でキャーキャーと騒ぐ声がきこえてくる。しかし、しばらくすると静かになって妹たちが階段をかけ降りる音が聞こえてきた。リビングの扉が開き妹と友達が俺に相談を持ちかけてきた。
咲来 「おっ…お兄さん!!ご相談があります!」
光宗 「なっ!?なんだ急に!?」
琴音 「お兄さん、私たちと共に妖魔討伐してくれないかな?」
妹たちの相談に俺はしばらくの間思考が停止した。
それから、俺はこう決意した。
光宗「何でも協力すると言ったのは俺だ、男に二言はねえ!
まかせとけ!」
その言葉を聞いて妹たちはとても満足げに喜んだ。
琴音・咲来「ありがとう、お兄さん!」
それから、俺は妹たちにことごとくこきを使われることになるのだった。