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第6話 ペット探し

 さて、昨日はソードウルフの討伐で1日目の終わりを閉めたわけだが、今日は地味だと言ったクエストを受けようと思う。

 ラスカイドも誘ったが、あいつは夏休みの宿題を終わらすから昼から入ると言っていたから一足先に入った。


 さて、やる依頼を決めようと思ったんだけど、何故か昨日よりも依頼の数が倍以上になってるんだよね。昨日のクエストボードは、広いというのもあって依頼の紙の間がスカスカだったけど、今日は隙間なく綺麗に並んでいて一種の芸術か! と叫びそうになった。

 というわけで選んだ依頼は、


 ペットを探して!


 先日、町の外でペットのアイラちゃんと遊んでいたのだけれど、何故か逃げ出して、私の制止を聞かずそのまま走り去ってしまいましたの。ですので私のアイラちゃんを探してほしいですの。特徴は赤の首輪に耳には黄色のリボンをつけていますわ。



 ミルノフラワーをください


 おかあさんがびょうきでミルノフラワーがびょうきにきくらしいからください。わたしのたからものをあげるからおねがいします。



 の二つだ。

 一つ目は単に依頼内容に突っ込みどころ満載だから選んで、二つ目はなんか可哀想だから選んであげた。

 で、二つとも探す場所は同じだからちょうどいいという理由もある。まぁ、最優先は子どもの依頼だけどね。別に俺が子供好きって訳じゃないからな、な!


 では出発しましょう。




































 探し始めて2時間後、ミルノフラワーを見つけた。

 これはギルドの職員に聞くと、絶対数が少なく、みつけれたら運がいいですよと言われ、ちょっと心配だったけど、案外早く見つかった。


 これであとはペットのアイラちゃんなんだけど、一向に見つからないんだよな。

 東の方は目立つものがないし、数日経過してるから俺的には形見探しかなと思ったけど、それも違うと思うんだよな。


 てか、なんか昨日よりもホーンラビットの遭遇数が多すぎるんだ。だけど、倒そうと思ったら俺の方には目もくれず逃げるような感じで去るんだよ。

 絶対にホーンラビットが来た方向になんかあるよな。てなわけでその方向に今は進んでいる。


 ん? なんか見えてきたな。


 ・・・・・・えっと、まさかあれがアイラちゃんかな。ギッチギチの首には赤の首輪に耳にはサイズが合ってなくて今にも破れそうなリボンがあるし。


 ・・・・・・まじであれがペットなのか。犬というよりは昨日戦ったソードウルフみたいな魔物みたいだぞ。

 いや、でも魔物のペットを散歩してなんていう依頼が昨日あったから、ペットが魔物というのは不思議ではないか。

 でもこの大きさはソードウルフの倍はあるぞ。そして、ホーンラビットを食ってるし。ポリゴンだからそんなにグロく無いけど、それでもちょっと猪を解体した時を思い出すぐらいには気持ち悪いな。


「グル?」


 うわ、こっち向いてきたし。てかこっち来るし。

 こわいこわい。何処かのミケちゃん並みには怖い。

 うん、尻尾振ってきてる。ちょっとかわいいかも。口からヨダレを出していなければ。

 うん、これは戦う系だな。

 そう思い、アイラちゃんの名前を見てみると、憑依されたアイラと書いてあった。

 これはなんかカッコいいな。

 そうして、剣を取り出すとアイラちゃんはいきなり襲ってきた。

 昨日戦ったソードウルフより速い攻撃だったが、うまくかわし、追撃を加えることが出来た。

 すると、アイラちゃんから何か黒いものが出てきて、アイラちゃんの体がみるみるうちに縮んでいった。

 これが憑依していたやつかな。そうして、名前を見てみると、アニマルサタンと書いてあるからやっぱり悪魔だな。

 するとアニマルサタンが目からビームを出してきて、避けきれずそのまま攻撃を受けてしまった。ダメージはさほどでもないため、防御をせず、突進しながら斬ると一発で倒してしまった。


 ・・・・・・うそーん。アニマルサタン弱すぎだろ。何この憑依した時と通常時の差は。まぁ依頼は完遂って、は! アイラちゃん大丈夫か。

 そばに寄ってみると、意識は失っているものの、HPゲージが数ドットだけ残っていた。

 危な! 出血しているから継続ダメージ受けてるんだ。

 急いでポーションを飲ませると、HPが徐々に回復していき、満タンになると起き上がって俺の頬を舐めてきた。あっやばい、可愛すぎる。

 ていうか犬に舐められる感触も現実と変わらないぞ。このVRゲームの性能やっぱすごいな。

 では街に帰りましょう。





























 街に帰り、まず犬の飼い主のところに行った。

 依頼主は俺が想像していたうざくて小太りのおばはんかと思ったが、全然違い、美人で優しいお姉さんだった。年齢は聞いてないぞ。

 お礼に5銀貨貰った。

 これは多いと思い、さすがにと言ってみれば、


「アイラちゃんを助けてくれたのですの。当然の事ですわ」

 と返されてしまった。


 そして、花を女の子の所に届けにいくと、お宝あげるねと、???という鑑定不能の緑色の綺麗な石をもらってしまった。


 ・・・・・・えっと、慈善活動のつもりが重要アイテムをいただきましたよ。

 では次はギルドだ。かさばる素材を売るというのもあるが、まずはアニマルサタンの報告だ。なんでも、このファレスト地域で珍しい、出現したことのないモンスターは素材と合わせて報告する義務があるらしいからだ。


「すみません。たぶんファレスト地域で出たことのないモンスターを倒したのでその報告に来たのですが」


「またですか。ご報告感謝します。それではそのモンスターの特徴と素材の提供お願いします」


 またということはここ最近、ファレスト地域で見ないモンスターの報告があったということか?

 だったとしたら近々イベントの雰囲気がありそうだな。


「はい。これが素材で、名前はアニマルサタン、紫色の肌に顔は猿のようで、色が白でした。攻撃方法は爪によるものと目から光線、そして何かに憑依、私が遭遇したときは一般的な犬に憑依して、こちらに攻撃して来ました。その憑依された犬は強化されていて、大型犬ぐらいの大きさがその倍以上となり、素早さはホーンウルフを上回っていました」


「分かりました。ご報告ありがとうございます。他には何かありませんか?」


「では質問で、さっきまたといっていましたが、この付近では遭遇しないモンスターとあった冒険者がそんなにもいるのですか」


「あなたのいった通りです。報告件数は10を超え、私たちはファレスト地域のどこかに新たなダンジョンが出現したと考え、調査を進めています」


 新たなダンジョンか。これはますますイベント臭が。ていうことは調査が終わると、ダンジョンの探索が始まるというわけか。


 おっしゃー! これでやっとまともな冒険ができるぞ。ダンジョン探索を待ってたんだ。まあ、他の街に行けばダンジョンはあるらしいけど、そこに至るまで遠いし、その付近のモンスターは強いからな。

 なぜかダンジョンの中のモンスターだけは強さのレベルが低いため、そこでは初心者ダンジョンとして活用しているらしい。たぶん場所は王都だったと思う。


 でもこれで早いところで展開がありそうだな。早くレベル上げて廃人ゲーマーに並ぶぐらいは強くならないとな。まだ廃人のレベルがどのくらいかわからんが。

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