第3話 冒険者ギルド
光がなくなると、次は異世界物の小説でありそうな西洋の街並みが広がっていた。
うん、この光景を見たらなんか海外旅行をしている気分になるね。いや、設定上だと異世界旅行って感じだな。ラノベ好きにはたま・・・ドン!
ィッタいな、誰だよ。
「よっす、カリ。チュートリアルを終わって転送されると、目の前にお前がいるか・・・お前、その顔はダメだろ。現実の顔と全然違うくらいのイケメンになっとるけどお前だとわかるぞ。・・・プッ」
・・・・・・えっと、こいつは俺の幼馴染みの天童 竜、超がつくイケメンだ。ゲームの名前はラスカイドそして頭が良く運動もできるとなんでも揃っているチート野郎だ。でも、喧嘩とゲームのプレイヤースキルに関しては負けたことはない。
・・・・・・これだと確実に人生では負けてるな。
ていうか、現実でのニックネーム出すなよ。あ、俺は壱野 狩弥って言います。
「お前、笑うなよ。作った時ちょっと心に傷を負ったんだぞ。だが、私はこれで満足してるんだ。だって現実では整形しない限りイケメンになれないし。それに今はジックな」
「ああ、ごめんって、名前変えたんだな。今までずっとカリでいたのに。
というかジックもそうなるよな。最初に出るアバターが自分の体だからそれが基本になっちまうしな。僕も超美化したのに顔が全然変わってないんだよ。なんか髪を金髪にしたチャラ男みたいになったから僕もちょっと傷を負ってるんだ」
「・・・お前いっぺんしんどけ」
「え? いきなり何?」
ねえねえ、今の発言聞いた? まじこういう自覚してないイケメンってうざいよな。
元から顔がいいからイケメンにしようがないし、髪がチャラ男って俺にはただのハーフのイケメンにしか見えない。
それにこいつ、小学校は俺と色々してて、女子から嫌われてたからなのかわかんないけど、どこかの主人公みたいに鈍感なんだ。中学校時代どれだけ俺が苦労したか分かってんのか。まぁ、可愛い子と話すという役得はあったけど。でも、毎回最後に壱野君も勉強と運動できるから大丈夫だよと言われるんだ。俺ってそんなに態度に出る方なのかな? というか顔は言わないんだね、そうだよねといつも落ち込む始末だし。
まぁいい奴だから小学校からの親友だけどね。・・・・・・でれてないからぞ!
・・・まあそれはそうと、俺はこいつとここで遊ぶ約束をしてたんだよね。街は選択系だったのに運が良かったのかな。
で、今回もMMOをやるわけだが、20万人以上もするゲームに渾名なんかは恥ずかしいから俺は名前を変えた。
「そういえばさ、さっきやったチュートリアルのうさぎ強すぎじゃなかった。えっとレッドラビットだっけ。チュートリアルのモンスターなのに腹パン一発で死亡っておかしいよな。でも、アイのアナウンスだけを聞いていて目の前のレッドラビットに注意を向けなかった僕も悪いけどさ」
・・・へぇ? えっ何? うさぎを倒せれなかった?
うわーまじですか。俺倒しちゃったよ。割と余裕で。
ま、それより、ダメージの判定はやっぱどれだけ深く傷つけることなんだな。多分、俺は腹パンの攻撃を手で押さえて後ろに少しだけバックステップして受け流したから一発では死ななかったんだな。吹っ飛ばされたけど。
「お前あのうさぎ倒せれなかったん?俺余裕で倒したよ。一回わざと攻撃を受けてどのくらい喰らうかも試したし」
「うざいなお前。それより僕は一発で・・・ああ、ダメージの判定があたりだけじゃなくて結果も入るやつか。だったら喧嘩の強いやつとか武道やってる奴とか強いだろうな。お前も喧嘩強かったし。でもさ、あのレッドラビットの攻撃速くなかった?俺当たってから気づいたけど」
「ああ、まあ俺はアイの説明聞きながらあのうさぎずっと見てたからな。というか不気味すぎて目が離れなかったが正解だけど」
あれはマジで恐怖だよ。目がそこら辺にいるヤンキーみたいじゃなくて8の人の目みたいな感じだからな。けど、現実の野生動物よりは怖くなかったな。じいちゃん家で畑の番してた時に猪が出たけど、その時怖すぎて腰抜けたもん。その後に鍬で猪を殺すじいちゃんにも恐怖したけど。ちなみに俺はそこで大抵のグロ耐性がつくようなことをさせられた。
「そうだよね。でも、俺は無害かなって思って無視したからすぐに死んだ。あそこはマジ反省だよ。ああやってチュートリアルに殺すゲームもあったから、経験してたのにな。あ、そういえばフレンド登録してパーティー組もう。オプションのとこで設定できるらしいよ。」
「そうなのか? 俺のはゲームの説明だけしかしなかったんだが。」
マジかよ。それだったらきちんと聞いとけばよかったな。
「ああ、ジックはVRゲーム初めてなんだっけ。アイはこっちが質問しなければ必要最低限の情報しか言わないよ。たまに気を利かせていい情報をくれることもあるけど。あ、スキル何選んだ? 僕は弓とメイスと魔力にしたけど」
こいつネトゲのと同じスキル構成にすんのかな?
「俺は片手剣、生命力、魔力にした。アイに忠告されて生命力と魔力はとったけど」
「ジックもそうなんだ。僕はいつも通り支援になろうと思って支援系の魔法覚えようとしたけど、アイに魔法使う時に気をつけることって聞いたら、魔力のスキルが必須になるらしい。そして前衛なら生命力が必須とも言ってたよ。それと武器スキルを二つ選んだら二つとももらえたからすげー得した気分」
そうなのか。まぁ、MPが0だし、HPも10って少ないからパッシブ系のアートを覚える感じかな。
「そうなんだ。まぁ俺は生命力と魔力のスキルどっちも持ってるからどれだけ有能かはわかるからそこは安心だな。それとこのゲームのスキルは最初にとるアートで習得できるアートが変わる系のやつだと思う。片手剣のスキルの最初のアートを選ぶ時三つアートを選んだから最低でも武器系はそうだと思う」
「そうなんだ。じゃあアートを選ぶ時は慎重に選べってことだね、了解。じゃあギルドに行こうか。多分あの東通にあるでっかい建物がそうだよね」
「ああ、そうだと思う。あの大きさはどっかの金持ちの屋敷よりも高いぞ。4階ぐらいは絶対にあるし」
ギルドに着くと、外にまで続く三つの列があった。
「うわ、これはすごいな。全部プレイヤーか? だったらリソースが追いつかなくなりそうだな」
「あれ? 今日の新聞見てないの? それはどの街もプレイヤーが15万人いても余裕があるぐらい広くて、その分外のフィールドも広いらしいから大丈夫らしいよ。それと、これも今日の新聞に載ってたけど、ここの時間は体感時間が現実と同じ速さで日の出と夕暮れも同じだから、ウインドウの時計見なくてもある程度の時間は分かるよ。あとの情報はあんま重要なのはないから、知りたかったら自分で調べ取ってね」
まじか、重要な情報いっぱいあるな。今日の新聞帰って入れとこ。
てか、15万も入る街って相当でかいよな。まあ、街の中心っぽいあの噴水からこのギルドまで5キロはあったからそれもあり得るかな。
「へぇー、てかお前はこの街の選んだ理由って一番楽そうだから?」
「そうだよ。ていうか、ジックも同じ理由だよね。でも、この人数って10万はいってるよね。結構前進んだけどまだギルドの中入ってないし。」
「うん、やばいよなこの人数。でも進み具合は早いしそろそろじゃね?」
「うん、列の長さの割にはあまり待たないで済むからいいけど。」
そうして十分後、俺たちの番が来た。
そして受付の方に行くと綺麗な女の子が立っていた。年は俺と同じで高校生ぐらいかな。受付は他にも9つあるから道理で回りが早いわけだよ。で、他の受付の人たちは年は違うが、どれも美人揃いだ。こういう受付みたいな仕事ってやっぱどこも第一印象モットーなのかな?
てか、ギルド内が広い広い、ここでサッカーの試合が同時に5試合ぐらい出来そうだぞ。
「こんにちは、要件は冒険者登録ですか?・・・・・・ではこのカードに指を乗せてください。」
指を乗せてみると、何かが指から抜けるような感覚がした。これって魔力が吸われてる感覚なのかな?
「えっと、貴方は、ジックさんは、彷徨い人ですね。私たちこの世界の住民たちは貴方たちの訪問を歓迎します。・・・・・・すみません、これも形式上必要なことですので。ですが、私たちは本当に貴方たちの訪問を歓迎してますので。
では、冒険者の仕事について説明させてもらいます。冒険者は所謂何でも屋であり、二階にの奥にあるクエストボード貼られてある依頼や、ボードの右端枠内にある常駐依頼を自由に選びこなしてもらいますが、自分のランク以上の依頼は受けることができず、阻害魔法の影響で依頼の名前以外の情報は読み取れないようになっています。これは同じパーティーが依頼を受けるときは一番高ランクの冒険者のランクを基準にします。常駐依頼にはランクはありません。そして、依頼受けるときは紙を取ってもらって、二階入り口にいる職員に申請をしてください。常駐依頼は申請の必要がありません。魔物の強さはデンジャーによって表され、最低の1から7まであります。基準としては、1は大人の男がギリギリ倒せるレベル、5は一般の人、レベル10以下の人でしたら、どんな人数で挑もうと勝てません。7ははレベルが50を超え、なおかつスキルのランクが5であるとそのデンジャーの最低ランクに勝てる実力です。このデンジャーは討伐依頼などにも書いてありますし、必要であればこの付近のモンスターの情報であれば提供できます」
へえーデンジャー7は結構強いんだ。でも、レベル的には中盤の最後って感じだけど。てか、スキルのランクってなんだ?
「すみません、スキルのランクについて教えてもらえますか。」
「いいですよ。あ、貴方は彷徨い人でしたね。えっと、この世界の人はスキルはランクになっていて、種類に関係なければ、最高のランクの到達点は13であり、最初は0です。これは彷徨い人だと熟練度1300です。そして、この世界の人は、貴方達と違いスキルは覚えれる数は3つであり、多くても5つです。そして、スキルは先天的に持っており、どんな修行を積んでも、技術が向上するだけでスキルを覚えることが出来ず、彷徨い人みたいに、レベルが上がっても新たにスキルを習得することができません。」
そうなんだな。この世界の人は俺たち彷徨い人はチートな存在なんだな。
「ありがとうございます。」
「いえいえ、こちらの配慮は足りなかっただけです。では説明に戻りますが、冒険者のランクは1から7まであり、7からスタートです。高ランクの冒険者になると、指定依頼を受けてもらうこともあります。ランクは依頼だと同ランクで10、1つ下がるごとに10回足した数をこなすか、常駐依頼は依頼の条件の二倍の数でデンジャーが1つ上がるごとにマイナス10され、マイナスが規定数をゼロに下回ったらどのランクでも1回となります。そのカードですが、それは冒険者カードと呼ばれ、こなした依頼、ランクの基本的なものだけ表示されていて、ギルドの中に入ると、随時更新されていきます。」
ここの冒険者はラノベと同じような感じだな。これは覚えやすい。
「では次に、このギルドの説明をさせていただきます。この受付は主に新規の冒険者登録と一般の方の依頼の受付をしております。奥にあるのはアイテム売り場と魔物の素材の買取場となっております。二階は依頼関係の場所となっており、三階からは冒険者が利用できる宿となっています。この宿は早い者勝ちですので、早めの予約をお勧めします。以上で説明は終わりますが、何か質問は?・・・・・・ありませんね。では、補助金の10銀貨です。お金は小さい方から銅貨、銀貨、金貨、白金貨があり、それぞれ100枚で次の大きい硬貨の一枚となります。では頑張ってください。」
「よし、依頼受けに行こうぜ。」
「うんそうしよ。・・・・・・えっとクエストボードは・・・え? 超大きいんだけど。」
スゴ! 横が100メートルもあるボードとか初めて見た。
「お、おう、ちょっと圧巻だな。俺らが見れるのは左端のFだけか。えっと、犬の散歩に魔物の散歩って、この世界の魔物ってペットもあるんだな。で、物の配達にアルバイト募集ってやれること地味だな。これだったら常駐依頼の方がいいよな。えっと、討伐系はホーンラビット、アニマ、ソードウルフ、レッドラビット、レッドウルフ、ゴブリン、レッドベアがあって、採取系はニアの実にハスタの葉、グウの根・・・・・・クッソあるな。まあ、外出てからレベル上げがてらができる常駐依頼しようぜ。」
「うん、そうしよっか。まずは一番弱いデンジャー1あたりのホーンラビット、アニマ、ソードウルフを狙おう。これで、戦闘の基本は習得できそうだし。」