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10.武具

「ふぅむ。魔法などの設定はラノベとかと同じような設定なのか……」


 人族との和解を決意した後俺と爺さんとフィアは玉座の間を後にした。玉座の間に集まっていたほかの魔族もその時解散となった。最後まで爺さんとフィア以外には俺のことは見えなかったらしい。みんな疑問に思いながらも部屋から出ていった。玉座の間を出てからは魔法などの説明を聞きながら歩いていた。


「ふぅぅぅ。やっぱ寒いな……」


 召喚された時から感じていたが凄く寒い。


「この国は北に位置するからのぅ。慣れておらなければ寒いだろう。それにお主は薄着じゃからな」


 デパートの屋上で千影に上着を貸したままだったからな。


「ではまず服を整えに行きますか?」

「そうだな……。そうするか。フィア、案内頼めるか?」

「はいっ、任せてください!」


 フィアは元気に返事を返してくれる。


 玉座でも感じたがこの城全体的に暗いな。


「なんでこの城こんなに暗いんだ?」

「明りの資源になる魔石が不足しておるんじゃよ」

「魔石?」


 そういえば明りになっているやつ電球とかじゃないよな。当たり前だけど。火でもないし、よく見りゃ石が光ってるな。


「これが魔石か」

「そうじゃ。魔石は魔力を蓄える機能があってな、魔法陣を刻むことでその魔力を使うことができるんじゃ。その魔石には光るように魔法陣が刻まれえているのじゃ」

「へぇ。便利だな。魔石はどうやって調達するんだ?やっぱ魔物を倒すことだ手に入るみたいな感じか?」


 ゲームだと魔物を倒すことで手に入れられるしな。この世界じゃ魔石はドロップなのかな?それともはぎ取る系か?もしかしたら鉱石という可能性もあるな。


「その通りだな。魔物を倒し剥ぎ取るのだ。魔石は魔物のかなめ。我ら魔族や人族で言うところの心臓だな」

「んじゃ解体できないといけないな。魔石が不足してるって言ったがここら辺は物が少ないのか?」

「その逆です。ここら辺は魔物が多く町の外は危険でいっぱいなんです。更に魔物の脅威度が高いので倒すのも大変なので魔石の入手率が必然的に下がってしまうので現在魔石不足になっているんです」


 ほう、流石魔王城の周囲だな。ラスボスの住むばしょに相応しい。ってラスボスになっちゃダメか。人族と和解する気なのに、ラスボスだと敵になってしまう。


「ここら辺の魔物を倒すにはどれぐらいの威力が必要なんだ?」


 この世界はあまり武器が発達してないからな。飛び道具だとバリスタぐらいならあるらしいがそれだとまだ威力が足りないらしい。

 定番だが銃を作ることもありかな。でもそのせいで戦争が拡大してしまうのは頂けない。悩みどころだ。作ることができたのなら魔国の魔石不足や警備の強化もできるんだがなぁ。


「火薬などはあるのか?」

「かやく、ですか?」

「火をつけたり大きな衝撃を加えたりするとで爆発するものなんだけど」

「爆発……爆破石ですかね?」

「どんなものなんだ?」

「爆破石は大きな衝撃を与えると爆発する鉱石じゃ。発掘中につるはしが爆破石に衝撃を与えてしまい誤爆させるなどの事故が多発する厄介な奴じゃ。一応倉庫に厳重に保管されてある。何かに使えるかもしれないからの」


 爆破石、使えるな。


「ま、今はいいか」

「あっ、着きましたよ。ここが武具庫兼衣服が保管されている場所です」


 鉄製の大きな扉だ。装飾などはない無骨な感じだ。

 爺さんが懐から鍵を取り出しカギ穴に差し込む。ガチャッという音と共にギィィっと音を鳴らしながら扉が開く。


「どうぞ魔王様」


 中に入ると様々な武具が陳列されていて、壁際に服が並べてある。


「なかなかの光景だな。興奮するなぁ」


 武器かぁ。かっこいいなぁ。オタクの俺にとってはここは楽園だな。


「まずは服だな。どれがいいか……寒いから少し厚着でできるだけ動きを阻害しない奴があればいいんだが」

「あっ、それならこれはどうですか?」


 フィアが進めてくれた服は黒地のジャケットだ。シンプルなデザインが結構好みだ。

 袖を通してみると裏地がもこもこして暖かく且つ動きやすい。いいなこれ。


「それはグレイウルフの毛皮とアラクネの糸を織った布で作った上着です。暖房性もありアラクネの糸で作ったため防御力も高いのです。伸縮性もあり動きを阻害することもなくかなり高性能な衣服なんです」

「ほぉ、更に気に入った!アラクネか、ここにもいるんだな」


 てかこの服だけ高性能だとなんかバランスが悪いな。ほかのもついでに揃えるか。


「この黒いカーゴパンツっぽいやつと黒い長袖貰っても大丈夫か?」

「この国の王はお主なのじゃ。それぐらい構わぬぞ」


 颯爽着替えてみる。全身真っ黒だがそれが俺の厨二心をくすぐってたまらない。


「ん、やっぱ着心地もいいしサイズもぴったし。いいものを貰った」

「魔王様、衣服は決まりましたが武具はどうします?」

「あぁ。見てみようかな」


 今度は武具が並べてるエリアに向かう。


「遠くから見ても壮観だったが改めて近くで見るとこれはまた……」


 とても素晴らしい。

 少し見て回る。するとその中に一つ、奇妙なものを発見した。


「なんだこの球?」


 武器の中に混じって黒色の球が鎮座していた。


「なぁフィア、この球何なんだ?」

「それは迷宮でドロップした魔具です。名前はなく皆無形球って言ってます。持ち主の意思によって形を変えるんです。無形の球、、だから無形球」

「安直な名前だな。で、魔具ってのは何だ?」

「魔具というのは普通の道具とは違う特殊な道具のことです。迷宮で発見されたり魔物が所持していたりします。まぁ後者なんてそうそうないですけどね」


 魔具か。魔剣とかもあるのかな。


「かなり使いやすそうな道具だな」

「それが逆に使いずらく不人気な魔具なんです」

「なぜ?」

「イメージが難しいからですよ。この魔具を使うにはずっとイメージしていなきゃならないんです。戦闘中にイメージし続けるというのは好きが生まれやすいんです。なので自衛団の皆には不人気なんです」


 そういうことか。だが俺はかなりイメージ力には自信がある。使いやすそうだし俺が使ってみようかな。


「誰も使わないのなら俺が使おう」

「大丈夫ですか?かなり難易度高いですけど」

「大丈夫さ」


 俺は無形球を手に取ってみる。


「うおっ」


 手に取った瞬間無形球がどろどろと液体金属のように溶け出す。


「無形球はイメージせず手に取るとそうやって形を保たなくなるんです。戦闘中でも使用者の意思が薄くなると急に硬度がなくなり武器として役に立たなくなるどころかそのまま攻撃を受けてしまうのです。そのせいで何人も死亡者や負傷者が出ているので呪いの魔具と言われてたりもします」


 それはそれは……。


 改めてイメージを始める。形状は指輪にするか。コンパクトで楽だし。

 無形球が蠢きだしだんだん指輪の形を作り出す。


「す、すごいです。団員たちがやるとゆっくり形作っていたのにどんどん形になっていきます!しかも細工にできてる……」

「そうなのか?結構簡単だけど……。あれかな、イメージが鮮明じゃなかったんじゃないか?」


 手のひらで次々と無形球の形をいじる。ドラゴンや剣、バイクにフィアの人形を作ったり。


「これたのしいな!イメージ通りに動いてくれるからいろいろできるし」


 ドラゴンの羽をはばたかせて宙を舞わせる。すべてがイメージ次第なため重くしたり軽くしたりできる。


「流石魔王様…あんなに滑らかに使いこなすなんて」

「すべてはイメージ次第、イメージさえできればこの魔具とても使いやすいんだけどな」


 さて、服も武具も揃えたし場所を変えよう。


「では前魔王様の私室に行くか」


 武具庫の次は爺さんの案内で前魔王の私室とやらに向かうことになった。

多分今日中か明日に次話投稿します

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