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イベント帰りの若者がうざい(8/1追加版)

うげええええ設定間違えて、荒書きをアップしてしまっていました!

久しぶりに家に帰ったら、公開タイマーを間違えていたことに気づいたです!!!!

8月1日に修正しました。

定時を回り、会社から駅に向かっていると途中で、ノロノロと松葉づえで歩く玲奈を見つけた。

「おう、どうしたんだ?いつもより歩行速度が遅いな。」


振り返った玲奈はうんざりりした顔だ。

「あ、高志。今日は人が多くて進みづらいのよ。なんかイベントでもあったのかしら。」


言われて周りを見ると、アニメキャラみたいな柄のついた鞄を持った連中が随分いる。

一人一人が迷惑ってわけじゃないんだけど、これだけ大量にノロノロ歩かれると、かなり邪魔だな。


仕方ないので、玲奈とノロノロ歩いているとスマホにメールが来た。

「お、初穂の奴からだ。腹減ったから駅でなんか買ってくれだってよ。あいつほんと良く食うよな。」

「高校生はいつもお腹を減らしているモノよ。」


そんな話をしながら駅まで着くと・・・

初穂がオタクっぽい連中に囲まれていた。


なんだ?


「おーい初穂。この連中はお前の友達か?」

「ちがうよ、なんか『アリサちゃんコスの完成度高けえ』とかいって写真を撮ろうとするんだよぉ。」

「意味わからんな。成敗しろ。」

「おっけえ」


初穂は取り囲む男たちに、躊躇なくローキックをかます。


ズドム

「ありがとうございます!」


ズドム

「女子高生生キック、ハァハァ」


ズドム

「蹴ったな、父さんにも蹴られたことないのに。」


ズドム

「うおおおお、想像以上に痛い。だが・・・癖になりそう。」


ズドム

「うぐああ、豪億時さん!僕は関係ないでしょ。」


ん?よく見ると初穂の学校の制服着たイケメンが蹴られて倒れた。

だが気にせず初穂は男たちのローキックを打ち続ける。


ズドム

ズドム

ズドム

ズドム

ズドム


ローキックは耐性がないと滅茶苦茶ダメージを受ける。

蹴られた男たちは、みな地面に転がることになった。


10人ほどのヤムチャ倒れした男たち。

その中央で仁王立ちしている初穂。

なんか雑魚を吹っ飛ばしたゴールド聖闘士みたいな絵面だなあ。


玲奈は嬉々としてその様子を撮影していた。

すると・・・・

なんか玲奈の後ろに人が並び始める。

10人くらいの列ができた。

やっぱりオタクっぽ連中。


なんだこいつら。


「なあ、あんたら。なんでそこに並んでいるんだ。」

「さ、撮影の順番を待っているのござる。」


?何を言っているんだ。


よくわからないが、ノリノリで倒れた男を踏んずけてポーズをとる初穂を撮影したいようだ。


「玲奈、順番待ちしてるらしいぞ。」


言われて振り返った玲奈がびくっとする。

「え?え?順番待ち?」


すると玲奈の後ろに並んでいた奴が教えてくれる。

「大体10枚くらいの撮影で移動するのがマナーですお。」

「えっと・・・、それはごめんなさいね。」


玲奈は疑問顔のまま横にずれた。

上手く言えないが、俺たちは今・・・謎の空気の飲まれている。


自分の番が回ってきたオタクっぽい奴は、高そうなカメラを構えて一礼し、初穂にポーズ指定を始めた。

「よろしくお願いします。では倒した男に座って女王様っぽい感じでお願いしますお。」


初穂は楽しそうに、同じ制服を着た少年に座ってドSっぽい顔になる。

あいつ、ノリノリだな。

そしてその少年、お前の友達じゃないのか?


「完璧にアリスちゃんだお。完成度高杉。」

おたっくぽい奴はしばらくパシャパシャ撮影すると、「ありがとうございました」と言ってすっと場所を開ける。

すると後ろに並んでいたやつが「よろしくおねがいします」と一礼して撮影を開始した。


それを俺と玲奈はしばらく眺めた。

ホントうまく言えないが、異次元すぎて何もできずにただ眺めた。


だが見ていていくつか分かったこともある。

まずコツらは意外に礼儀正しい。

撮影を始めるときは「お願いします」と一声発し、終わるときは「ありがとうございました」といって去っていく。

列に並んでしっかり順番を守る。横入りや勝手な撮影はしない。


そして無言のままで不思議な連携をして、トラブルが起きない。


訓練されている。

こいつら、訓練されたオタク共だ。


しばらく眺めていたら「よろしこ願いします」という聞き覚えがある声がした。

あ、同僚の井筒卓也だ。


こいつ、なにしれっと列に参加しているんだ?

っていうか、こいつらの無言のルールに溶け込んでいただと!

こいつ、やるじゃねーか。


っていうか、撮影待ちの列が中々終わらないな。

なんでいつまでも終わらないんだ?


そうおもって見てみたら、次々に新しい人が列に並んでいる。

おいおい、これ終わらないんじゃないか?


思っていたら、また横で聞きなれた声がした。

「初穂ちゃん、よろしくだお。」


あ、こいつはいつも電車で会うオタクデブだ。

ちょうどいい。


俺はオタクデブの撮影が終わるのを待ってつかまえた。

「おいオタクデブ。この行列が終わらないんだけど、どうしたらいいよ。」


「お、お兄さんチーッス。列を終わらせたいなら最後尾の人に終了ですって言ってもらうといいですよ。」

「なるほど。じゃあそれやれ。」

「よろこんで!」


オタクデブは列の番後ろについて、新たな参加者をはじき返してくれた。

あいつ、手慣れていやがるな。


そして10分後。


なんとか撮影騒ぎは収まった。


なんだったんだ。


俺は初穂に歩み寄ると、初穂は疲れた顔で立ち上がる。

「撮影怖いわー。私、なんかノリノリでポーズとっちゃったけど、なんであんなテンあげしたか自分でもわからないよ。」

「そ、そういうものなのか・・・。まあいいや家帰って飯食って忘れろ。玲奈もくるか?今日はカレーライスで余分が沢山あるからな、おまえの分くらいあるぞ。」

「あら、あんたから誘ってくれるなんて珍しいわね。じゃあお言葉に甘えてご相伴にあずかろうかな。」


そういって駅に入ろうとしたら、

二人の小太りの男もついてこようとした。

同僚の井筒と、いつものオタクデブだ。


「初穂!この二人にご褒美をくれてやれ。」

「おっけえ、お兄ちゃん。」


ズドム!

「ありがとうございます!」

ズドム!

「身に余る光栄です!」


ヤムチャ倒れした二人をおいて、俺たちは帰宅した。

さあ、カレー食うぞ。



しかし・・・

アリスちゃんて何だったんだろう?

オタクたち世界は謎だらけだ。

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