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たまにはちょっと休戦。

人物紹介

豪徳寺高志:俺。24歳。普通のリーマン。休日出勤も余裕。

豪徳寺瑞穂:20歳、171cmでスポーツが得意な妹。料理も得意。

豪徳寺初穂:150cmと小柄だが、ローキックが重い。食べる専門。

車いすの女:八竹玲奈。コイツの計略で我が家が侵略されそうだ。

井筒卓也:同僚で、ぽっちゃり系バカ。こいつにはローキックあげとけばいいんだよ。

実は我が家は一戸建ての二階建てだ。

いきなり沖縄に移住した両親からの最後の贈り物と言えるな。


そんなウチから休日なのに俺出撃。

日曜出勤も受け入れる。

それがサラリーマンだ。


休日出勤の良いことは、電車に乗っても空いていることかな。

次の駅で、車いすの女が乗ってきて驚いた顔をした。

「あんた、もしかして私を気遣って電車に乗ってくれた?」

「アホか!休日出勤だよ。」


バカかこの女は。

すると、女は周りを見渡す。

「初穂ちゃんや瑞穂ちゃんはさすがに一緒じゃないのね。」

「まあな。休日出勤はそれが寂しいよ。」


すると真面目な顔で俺をまじまじ見始めた。

「なんだよ、もしかして俺の弱点を探ってるのか?」

「相変わらずバカなこと言うのね。今までシスコン男は気持ち悪いと思ってたけど。あんた見てるとむしろ、シスコンは家族想いで美徳なんじゃないかって思っただけよ。」


何言ってやがるんだ。

「アホか。俺はシスコンじゃないし。妹の面倒を見るのは兄として当然だ。それをシスコンとか言ったら、すべての兄がシスコンじゃねえか。」

「いや、あんたほど妹大好きな兄は珍しいと思うよ。この間の怖いおばさんの時も瑞穂ちゃんをかばうように盾になってたし。そういうの美徳だと思うよ。」


「褒めても何も出ないぞ!その義足カッコいいな。」

「あはは、一応褒め返すんだ。でもありがとう。」


俺は以前からの疑問を聞くことにした。

「実は前から気になってたんだが、その義足はショットガンとかついているのか?」

「付いてるわけないでしょ!」


「じゃあ刃物とか飛び出す?」

「出るわけないでしょ!」


「じゃあ、ロケット義足として飛び出す?」

「飛ぶかぁぁ!」


俺は混乱した。

「うそだろ、なんで武器を仕込んでないんだよ。義足だぞ!男なら武器をカッコよく仕込むだろ!」

「普通は武器を仕込まないよ!あと私は男じゃないし!」


そこでピンときいた。

「ああ、なるほど。そうだよな武器は仕込んでいないよな。ま、当然だよね。そうそう表向きは、な。」

ウィンクしておいた。


大丈夫、言いたいことは分かった。

すまんな、奥の手をそうそう明かすわけにもいかないもんな。

今のは俺がうっかりだったぜ。


疲れた顔で、車いすの女が俺の腹を殴る。

「わかってないでしょ。隠してないから。秘密とかじゃやなくて本当に武器は入ってないから。」

「そうだよな、入ってないよな。分かってるさ。」

生暖かい目でほほ笑む俺。

わかってるぞ、わかってる。うんうん。


また俺の腹を一発殴る。

「もういいわ。こんなことで疲れるとは思わなかったわ。」


ぽんぽん人の腹を殴りやがって。

「一応言っておこう、そんなパンチじゃ俺は倒せん。」

「わかってるって…。あんたの脳みそが羨ましくなってきたわよ。」

「わっはっは、この素敵な頭脳は自慢のジェミニーだぜ。」

「はいはい。」


なんか、まったりしたので乗り換えの時。

電車から降ろしてやり、通路を押してやった。

まあ同じ方向だしな。

階段では一瞬突き落としてみようかとも思ったが…。

良い笑顔で「今日もお願い」とか言われたのでまあ、抱えて降りてやった。


階段から突き落としたりして、あんまり追い詰めると義足のショットガンを使うかもしれないし。


スムーズに乗り換えると、車いすの女が俺にスマホを見せてくる。

なんだ?


みると瑞穂からだった。

『定時でお仕事終わるなら、夕飯作りますからウチで一緒にどうですか?』


みーづーほー

なに誘ってやがるんだ。


夕飯に呼んだら、食後にコイツをコイツの家まで送らないといけなくなるだろうが!

お前が夜道を送って行けよ!

いやダメだ、女の夜道の一人歩きはダメだ。

くそ、おれが食後に家まで送るしかないじゃないか、ちくしょう!


車いすの女は、挑戦的にほほ笑む。

「仕事が終わったら会社の前で待ってるから、迎えに来てよね。」

「なんでさよ?」

「あんたの家知らないんだから当然でしょ。」


ぐぬぬ。

ぐぬぬぬぬぬ。


そして仕事の帰り、この女をピックアップして帰ろうとしたら、同僚の井筒がまた騒いだのでローキックで沈めておいた。

お前好きだろ、ローキック。


まあ、侘しい(わびしい)女だから特別に妹の手料理を食わせてやろう。

そういえばコイツ、家に上がるとき、車いすはどうするんだろうか?


家に着くと、やっぱり車いすは玄関に乗り捨てられる。

でだ。

女の移動はすべて俺がお姫様抱っこすることになり、ひどく屈辱的だった。

瑞穂がコイツを呼んだんだから、瑞穂がお姫さんさ抱っこしてやれよ!。

しかし下の妹の初穂に、「うるさい、お兄ちゃんが運ぶんだよ」とかいわれてローキックされまくった。


ぐぬぬ、解せぬ。

まさか、これが孫ビンの計略か!

車いすの女豆知識:瑞穂や初穂とはよく話す。

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