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一件目 女子高生の借金の場合 その1

書きあがったので投稿します。

一気に投稿です。

それではどうぞ!



 大学の講義は何とかギリギリ遅刻することもなく受けることが出来た。一応、これでも社長だからな。経営学部に在籍する俺は経営系の講義を受けないわけにはいかないのだ。そもそも社員にそういうことが得意な奴がいないからな。・・・・・。大丈夫かな?俺の会社。


 心配にはなったが、今更そんな心配をしても仕方がない。もう会社を建てているのだから。


 そもそも俺がこの会社を起ち上げたことの発端は中学3年の夏休み。実家の縁側で暑さにやられて、だる~んとしていた時のことだ。




・・・




 ものすごい暑さに耐えかねて、夢の中に逃げ込もうと思って目を閉じた。まあ、それで眠れたんだけどね。そして目が覚めると俺の周りに人だかりが出来ていて、俺を覗き込んでいた。おかしいな・・・。俺、家にいたのになんでこんなに人がいるんだ?そう思った。


 周りを見渡すと、家の縁側ではなく、まるでギリシャの白い街のような場所にいた。俺が寝ころんでいるのはその公園と言った感じの所か。


「珍しいな。こんなところに人間の子供が来るなんて」


「ああ。だが、この子供の波動、我らと相性が良い。この子供がいるだけで何故だか心が安らぐ」


「このような人間が存在するとはな」


「まったくもってその通りだな」


「この子供、将来が楽しみだ。しかし、あの世界・・・地球と言ったか。あそこでは開花することはないだろう。せっかくの才能がもったいない」


「ああ。この子供、我らが育ててみないか?」


「それはいい!やろう!」


 なんだが俺のあずかり知らない所で勝手に俺の扱いが決まってしまってないか?


 俺は寝起きだからか、頭が回らない。普通なら考えられないことが起こっているはずなのに。


「うぅ~ん」


 俺はようやく体を起こす。それで周りの人たちは嬉しそうにする。


「おお!起きたか。君、名前は?」


 お髭がものすごいご老人が聞いてくる。まるでどこかの仙人か、神様みたいだ。


「お、俺?俺の名前は梶田裕太」


「ユータか。驚いているだろう。ここは君がいたところではないからな」


「は、はい」


「ここは神界。世界を管理する神たちが住まう世界だ」


「はい?」


「ハハハ。意味が分からないといった様子だな。まあ、それも仕方のないことだ」


 ご老人の周り、というより俺の周りには他にも様々な年齢層の男女の人たちがいた。だが、その人たちの容姿はどの人もものすごかった。子供の姿をしている人は全員可愛らしいし、高校生くらいの年齢の男女は皆美青年と美少女。大体二十歳から三十中盤までの人は皆美男美女。三十中盤から五十代の人はみんなナイスミドルやしなのある美熟女といった感じの人たち。それより上の年齢の人たちはどこか神がかっている。


「ほ、本当に神様なんですか?」


「本当だ。なんなら神にしか出来ないことをして証明してみせようか?」


 それに俺はコクリと頷く。


「承知した。ほれっ」


 そして明るかった空が急に暗くなった。


「あれ?」


「今、昼を夜に変えた」


「そ、そんなことが⁉」


「だから言っただろう?神だと」


「すごい」


「ふふん!そうだろうそうだろう」


 ものすごい嬉しそうなおじいさん。まるでお祖父ちゃんと孫の関係みたいだな。


「でも、なんで俺は神様がいるようなところにいるの?さっきまで家の縁側で昼寝をしていたのに」


「それは君の持つ波動が原因だ」


「波動?」


 なんだそれ?聞いたこともない。


「君たちの世界の架空の力である魔力とかそういうのではないよ。どういえばいいかな?・・・そう!君は我々、神と持っている性質がほとんど一緒なんだ。君に分かりやすい言えば、親戚みたいなものかな?」


 え?俺、神様と親戚なの?


「あるだろう?親戚が子供を猫可愛がりすることが」


「あー、確かにそういうイメージあるかも」


 親戚のおじさんやおばさんがものすごい可愛がってくれるってイメージがあるある。


「まあ、そういうわけだ。君を可愛がりたいのだよ。我々は」


 その言葉にうんうんと周りの人たちが首を縦に振る。


「はぁ」


「そんなわけで君には出来ないことはない力をあげよう」


「はい?」


 なんでそんなことに?


「勿論、あげると言っても与えるわけではない。鍛えるって意味でだ」


「どうしてこういうことに?」


「君はこのままだと近いうちに死んでしまうからね」


「どうしてそんなことに⁉」


「君は我々に波動が似ているせいで数年後にある世界に召喚されてしまう。そしてそこで力不足で死んでしまうのだ」


「なんでそんなことが分かるの⁉」


「神に不可能などない!未来予知などお茶の子さいさいだ」


「そ、そですか」


「君が死なないように力を授けたいのだよ」


「わ、分かりました。俺も死にたくはないですから。よろしくお願いします」


 そして俺は神たちとの生活を始めた。と言ってもここは精神世界みたいなもので、歳は取らないみたいだ。神様たちも本体は自分の管理する世界に置いて来ているみたいだし。俺のいる世界、地球も時はあんまり進んでいないみたいだ。具体的に言えば、こっちでの一日が向こうでの一分くらいになるらしい。


 戦神に戦いを学んだり、魔神に魔法を学んだり、武神に武術を学んだり、知識神にこの世のあらゆる知識を学んだり、学問神にあらゆる学問を学んだりとそれはもう色々とだ。そしてここで数百年。元の世界で一年弱。学んだ俺はもはや出来ないことはなくなっていた。


 勿論、それぞれに特化した神たちにその分野では俺は勝てないが、総合力で勝るものはいなくなってしまった。神たちもちょっとやり過ぎた?と思っていることだろう。


 もしも、ゲームみたいなステータスがあればもはや俺は表示されない所にまで行ってしまっていることだろう。精神年齢ももう何百歳だ。正確な年齢も分からない。途中で数えるのやめちゃったし。


 そしてついにその時が来た。俺は高校一年生の冬休みに異世界へと召喚された。


 そこはものすごい荒れ果てた世界だった。ゲームとかに出てくるモンスターとかもたくさんいた。しかし、違ったのはそのモンスター達の強さ。最初に相対したモンスターは俺の勘だけど、すでに魔王を倒した勇者で互角といった強さだったのだ。まあ、俺は神様たちに鍛えられたから瞬殺したけど。そしてその世界で戦い、最後の敵を倒した俺は世界を平和へと導いた。


 その世界の住人達はこの世界に残ってくれと言ってきたが、俺にも帰るべき世界があるので断って、神様から学んだ異世界転移の魔法で地球に帰って来た。この間、冬休み中の間。短い異世界生活だった。それにしても、確かにこれは神様たちから鍛えられていないと死んでいたな、と思ったね。神様には感謝してもしたりないよ。


 そして異世界から帰って来た俺は元の生活に戻った。たまには神様たちには会いに行ったりしてたけどね。そして高校二年生になった春。新しい異世界に召喚された。またかと思ったけど、仕方ないから世界をまた平和にしてまた地球に戻って来た。そしてゴールデンウィークにまた違う異世界に呼ばれる。そこでも仕方ないから世界を平和して地球に戻る。


 三回も異世界を平和にした俺は少しおかしいと感じ始める。どうしてこんなに異世界に呼ばれるのかと。


 疑問に思った俺は神界へと行って神様に聞いた。そしたら


「それは君と我々が縁を持ったことで神たちの管理する世界に召喚されやすくなったのだろう」


 と言われた。マジですかい・・・。


 そして高校二年生の夏休みに再び異世界へ。そしてまた世界を救ってくれと言われた俺はついにキレた。


「そんなに世界が頻繁に危機なってたまるか!そうなった原因はお前らにあるんだよ!俺は帰る!」


 そして俺は何もすることもなく地球に帰った。


 その日の夜。神様の一人がやって来た。俺の夢の中に。


 その神は俺がキレて何もせずに帰った世界を管理している神様で、世界を助けてくれと頼まれる。でも、いい加減毎回異世界に呼ばれる俺としてはたまったものじゃない。しかも、無償でなのだ。勿論、様々な武器や防具、宝石とかは持っている。そりゃーもう一生贅沢に遊んで暮らしてもまだ使いきれないほどの財産が俺にはある。でも、それは俺が戦って手に入れたものだ。助けを求めた側の奴らは何も俺に支払ったりしなかった。まあ、そんな余裕なんてなかったとは思うけど、それでも気持ちは大事じゃん?


 そしてその時、俺は決めた。俺を頼るなら報酬を払えと。危機の大きさによって払う報酬も大きくなる。相談だけならそれほど払わなくてもいいけど、解決してほしいならしっかりと払ってもらう。


 異世界からの召喚は仕事にした瞬間だった。異世界からの俺に対する頼み事は神様を通して俺の所に来るようにしてもらった。そして俺が強制的に異世界へと召喚されることはなくなったのだ。


 そして高校三年の春。俺は同級生の女子からある相談事をされた。大学生になって会社を建てたのはその相談事がきっかけになったからだ。


 同級生の名前は加原明美(かはらあけみ)。多額の借金を親から背負わされ、親に捨てられた少女の名前だ。




読んでくれて感謝です。

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