二宮
5月22日(日)の投稿となります。
本日二回目の投稿です。
拙作『貧乳眼鏡っ娘の俺が異世界で無双するようですよ!?』もよろしくお願いします。
5月19日(木)無事?に完結いたしました。
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もう一つ『笑わない少女は血薔薇と舞う』そちらもよろしければご覧いただけると幸いです。
こちらは20時更新となっております。
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光と闇、2つの線で結ばれた決闘場の中央で黄金の剣士と暗黒の戦士は激突した。
空間を引き裂くような音を立ててぶつかる剣と剣。
奇しくもお互いの剣は同じ、片手半長剣。所謂バスタードソードと呼ばれる片手でも両手でも扱える長剣だった。
お互いその剣を両手で持ち、全力を込めるかのように前のめりになって鍔迫り合いを繰り広げている。
「まさか現世でこのような戦士に出会うとはなっ!」
暗黒の戦士、ルシューリがそう言って不敵に笑う。
「お前は腕がなまったんじゃないか? 封印されてて運動不足になったんじゃないかなっ!」
日向さんはそう言った後、前蹴りでルシューリの胸を蹴りつけ強引に距離を取る。
「なんだと……日向……ヒナタ、まさか! 貴様ヒナタかっ!」
日向さんはルシューリの言葉を受けニヤリと笑った。
「ようやく気付いたかい?」
「そうか! 転生、転生かっ!」
ルシューリはそう言って嬉しそうに笑う。
……突然過ぎて何が何やらですが。
もしかして、日向さんは転生戦士!
あたしはワクワクする心を押さえきれないまま、戦いの行方を見守るしかなかった。
再び中央にてぶつかり合う二人。
しかし今度はぶつかっては離れ、ぶつかっては離れを繰り返し、狭い決闘場の中を動き回る。
「まさか再び貴様とまみえるとはなっ! そうか……あの九神の姫も初代の転生かっ!」
お! てことは、あたしも転生したのですか!
なんと! これは早く戦士としての力に目覚めなければ!
「そうだ。つまりお前達、王邪は終わりだ!」
「ぬかせっ! 貴様こそその死体、復活される王邪様の御前に捧げてくれるわ!」
三度離れ、互いににらみ合う。
なに!? 目が、目が熱いっ!?
突然あたしの左目が熱く疼き出した。
なにこれ?
そして胸の奥から何かがこみ上げてきて……
『祝 破浄眼 我が剣士に力を」
あたしの口が勝手に言葉を紡いだ瞬間、日向さんが一際強く輝き出す。
日向さんは一度あたしの方を振り向き深く頷いて、剣を高く掲げる。
「ルシューリ! 現世では初となるな! 我が剣をくらえっ! 奥義! 破邪陽光列斬!」
そう叫び輝く剣を振り下ろすと凄まじい光の帯がまるでビームのようにルシューリに襲いかかる!
大音量が建物全体を揺るがす。
漸く光が収まると、決闘場になっていた光の線は消えていた。
そして……
決闘場があった辺りに立っていたのは日向さんと、遠くで剣を床に突き刺し、それに縋る様にして片膝をつきボロボロになった体を支えているルシューリが見えた。
「仕留め損ねたかった……」
日向さんがそう言って剣を構える。
「くっ、まさか俺がここまで……今日はこれで引こう。だが忘れるな! 貴様ら人間が大きな顔をしていられるのは、王邪様が復活されるまでの間だけだということをなっ!」
そう言ったルシューリの身体が黒い霧のようになりやがて消えていった。
終わったの?
日向さんの方を振り向いた時、彼は黄金の鎧姿から普段の姿に戻って倒れようとしていた!?
危ない!
あわや床に激突するかと思われた時、一人の男性が彼を抱き留めた。
「無理し過ぎだ。この馬鹿」
そう言ったのは、黒いフレームの眼鏡を掛けた少年だった。
そうしてあたしの方を見やり。
「無茶といえば、あなたもだよ。九神の姫?」
これがあたしを守る八葉八剣士の一人、二宮 水都さんとの出会いだった。
まてよ? 守る?
あれ? あたし守られポジション!?