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決闘~モノマキア~

5月21日(土)の投稿となります。

本日二回目の投稿です。


拙作『貧乳眼鏡っ娘の俺が異世界で無双するようですよ!?』もよろしくお願いします。

5月19日(木)無事?に完結いたしました。


http://ncode.syosetu.com/n1642dd/


もう一つ『笑わない少女は血薔薇と舞う』そちらもよろしければご覧いただけると幸いです。

こちらは20時更新となっております。

http://ncode.syosetu.com/n3647dh/




時間は飛んで、パーティーの日。


場所は一条いちじょう邸。

世界的に有名な建築デザイナーの手による西洋風のお屋敷は、まさにお城!って感じで圧巻です。


特に何事もなく中へと案内される。

パーティーは既に始まっていたようで、かなりの人数が会話に立食にと楽しんでいるようだ。


あたしはパーティー自体が初めてなので緊張しっぱなし。

側にお父さんとお母さんが付いてくれていたけど、いつの間にやらはぐれてしまった。

あれー? 二人ともどこいったの?

二人を探してキョロキョロしていると、背後からクスっと笑い声が聞こえたので振り返って見てみると、そこにはこの前会った人、一条いちじょう 日向ひなたさんがいた。


「こんな所でどうしたの? 空さん、おっといきなり名前で呼ぶのは失礼だったね」

そういってチャーミングなウインク一つ。

うわーこれは耐性ない人なら一発でおちますよ?


「あ、いえ大丈夫ですよ名前でも」

「そう? ありがとう。 お返しと言ってはなんだけど僕も名前で、日向ひなたでいいよ」

一条いちじょうさん、改め日向ひなたさんは再度なぜここまできたのか聞いてきた。

よく見てみればパーティー会場のかなり隅っこの方まで来てたようで……

「実は両親とはぐれてしまって」

なにか迷子になったみたいだけど本当のことだし。


「なるほど、じゃあお嬢様。僕がご両親の所までご案内いたしましょう」

そういって手をスッと差し伸べてくれた。

こういう仕草に嫌みかないのが凄いですねぇ。

普通だと芝居掛かってイヤな感じになるんですけどね。


その手を取ろうとした時、不意に女の子の声がした。


一条いちじょう様!こんな所にいらしたんですか?」

声を掛けてきた女の子は、何というかザ・派手!といった感じの真っ赤なドレスに身を包み、これまたド派手な化粧をした高校生くらいの女の子だった。

何というか似合ってない。

顔立ちは丸顔で、どちらかというと幼い感じなのだ。

まあだからこそ大人っぽい化粧をしているのかもしれないけれど、これはない。


あたしはそんな残念美人さんを見るとはなしに見ていると話は進んで行く。


「私、これほどの大きなパーティー初めてですの! 出来ればエスコートして頂けないかと」

そう言って蠱惑的……だと本人は思っているだろう引きつったような笑みを浮かべる。


「ごめんね。先約があるんだ」

そう言ってあたしの手をそっと掴んで引き寄せた。


「あら! 私存じないんですけどどちらのお嬢様かしら?」

女の子はギラリとあたしを睨み付けてきた。

うはー怖いよ!この子!?

これほ自力で両親を探した方がよさそうだ。


「君は四乃森の分家の木下家のお嬢さんだったね?」

「まあ! 覚えていてくださったんですか?」

女の子、木下さんは嬉しそうに顔の前に手を合わせた。


しかし日向ひなたさんはさっきまでの柔らかな視線ではなくまるで凍えるようなしを木下さんに向けた。


「なら分かる筈だけど? 彼女が誰か」

そう言われた木下さんはこちらを凝視するが……いや怖い怖い!


「分からない? 彼女は陸海くがみの正当だよ」

そう言われた瞬間、木下さんは後ろに飛び退いて壁に張り付いた。


……なぜ?


木下さんは顔面蒼白となりガタガタと震えている。


あれー? 家ってなんか恐れられてる?


どうしようかと思っているとパーティー会場の中央の方が騒がしい。


悲鳴まで聞こえてきた?


日向ひなたさんが中央へ駆け出していくのに釣られてあたしも追いかけた。


そこには、何人か倒れている人と、剣を手に立っている甲冑を着た男がいた。


「あれは……」

日向ひなたさんは男に心当たりがあるみたいで男を睨みつけている。


男は周りを睥睨へいげいしながら馬鹿にしたように笑う。

「ふん。八葉の子孫がどれほどのものかと思えば、雑魚ばかりか」


男は二十代くらいの鋭利な刃物を思わせる冷たい美貌を酷薄な笑みで飾り、艶のない黒髪を長く後ろで纏めていてその甲冑はなにやら邪悪な雰囲気を醸し出していた。


王邪十八魔将おうじゃじゅうはちましょうか」


あたしの側で日向ひなたさんは呟く。


男はつまらなそうに周りを見渡す。

すると、獲物を見つけた獸の笑みを浮かべそちらに向き直る。

そこにいたのは……


お父さん、お母さん!?

足を怪我したのか、足を押さえてうずくまるお母さんを庇うようにしてお父さんが前に立っていた。


「ほう! その血の匂い覚えているぞ! 憎っくき九神くがみの血族かっ!」

そう言うと男の身体から禍々しいオーラのようなものが吹き出してきた。

そして、その剣を振り上げ……



「だめー!!」

ついあたしは大声で叫んでしまった。


「あん? なんだこの子……娘? お前は!まさかその眼!? 九神くがみの姫かっ!」


男の身体から吹き出したオーラがあたしに吹き付けてくる!?


こっ怖い……けど、けど!



ここを乗り切ればあたしに隠された力が目覚めるはずっ!


「死ね! 九神くがみの姫っ!!」


男の剣があたしに迫る!

ひいっ!? 

うううっ! 目覚めろあたしの力よー!


目覚めろー!あたしの力よー! 力よー!

ちか……ぎゃーー!!だめなのー!?



そのとき身体に衝撃か走り、あたしは誰かに抱えられていた。

「まったく、無謀な子だ」

あたしを助けてくれたのは日向ひなたさんだった。

日向ひななさんはあたしを見て苦笑しながら頭を撫でてきた。


「君の覚悟は分かった。後は僕に任せて」

そう言って彼はあたしのあごにそっと指を添えてくいっと……あれ? これって……



触れ合う唇……って!? あたしのファーストキスーーーー!?!?!?


あまりの事に呆然とするあたしだが、その時あたしの身体の奥からなにかが抜けるような感触と左目が熱く疼く。


そして……


目の前にいた日向ひなたさんがまばゆく輝く。


光が収まったときそこに立っていたのは、金髪が腰まで伸び、輝く黄金色の鎧に身を包んだ日向ひなたさんだった。


「ちいっ!」


男は舌打ちしてこちらを睨みつける。


日向ひなたさんはあたしを振り返りウインクして男に向き直る。

そして手にした黄金色の剣を顔の前に掲げ男に告げる。


「我が名は、一条いちじょう 日向ひなた九神くがみの姫に仕えし八葉八剣士が一人!」

そして、剣を男に突きつけ。


「我は告げる。汝は誰ぞ?」

男は姿勢を改めて剣を構える。


「我が名は王邪十八魔将おうじゃじゅうはちましょうが一、ルシューリなり!」


その時、二人の周りに光の線が円のように二人の周りを囲む。


そして……

「「古き誓いに従い。 いざ決闘モノマキア!」」





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