転生
5月24日(火)の投稿となります。
拙作『貧乳眼鏡っ娘の俺が異世界で無双するようですよ!?』もよろしくお願いします。
5月19日(木)無事?に完結いたしました。
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もう一つ『笑わない少女は血薔薇と舞う』そちらもよろしければご覧いただけると幸いです。
こちらは20時更新となっております。
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「……と言う事があったのよ!」
翌日、学校に着いてすぐに洋子ちゃんに昨日あった事を話すために……あれ? 洋子ちゃんが丸めたノートを振りかぶっ パコーーン!! 「あいたーーー!」
洋子ちゃんが洋子スマッシュを決めたノートで肩を叩きながらため息をついた。
「あのね空……なに危険な事してるのっ!」
突然の洋子ちゃんの叫びにほかのクラスメイトがこちらを見るが、洋子ちゃんが威嚇するように辺りを見回すとみんな目を逸らした。
触らぬ神になんとやらだ……
とか考えていたら目の前に洋子ちゃんの顔がっ!?
「聞いてるの空!」
「き、聞いてるよ!?」
洋子ちゃんはイスに座り直すと、詳しい内容を聞いてきた。
取り合えず昨日聞いた話を思い出してみる。
日向さん達3人にかしずかれ、あたしがパニックに陥っているとお母さんがあたしを抱きしめてくれた。
「詳しくは私の方から話すわ」
とのお母さんの言葉に納得して3人はソファーに座りこちらを伺ってくる。
「まず、九神とはなにか……」
話を纏めると、九神は遥か昔、王邪がこの世界に現れ暴れまわっていた時、突然空から現れそれまで抵抗出来なかった王邪の軍相手に戦った。
その時共に戦ったのが八葉八剣士だった。
そして長い戦いの末、遂に王邪を封印する事に成功した。
そしてその後は子孫が封印から漏れ出る王邪の僕である魔物と戦っていく事になる。
しかしある時、八葉の中から八剣士の転生と思われる過去の記憶を持つ者が現れ始めた。
そしてあたしが産まれる時、星詠みの巫女と呼ばれる未来を見て予言を行う存在が、あたしこそが九神の姫の転生であると告げたという。
ちなみにあたしの空という名前は、九神の姫が空から降りてきた事から付けたそうだ。
そして、星詠みの巫女からついに王邪の封印が解かれてしまうと予言があったそうだ。
「つまり、あんたの妄想が現実になった訳ね? その割りには嬉しそうじゃなさそうね?」
「分かってくれる洋子ちゃん!」
あたしは感極まって洋子ちゃんに抱きついた。
相変わらず洋子ちゃんは良いにおいがするぜ! ぐへへ。
などと邪な事を考えていたらほっぺたをつねられた。
「んで? 不機嫌な訳は?」
あたしを引き剥がした後洋子ちゃんは尋ねてきた。
「だって……あたし戦う力がないんだもん」
「ハア?」
洋子ちゃんが呆れた声を上げた。
分かってないよ洋子ちゃん!
「あたしがなりたかったのは戦士なのっ! なんか凄い力で悪を倒すカッコイい戦士! なのにあたしの立ち位置ただの変身アイテムじゃん……」
あたしがしょげていると洋子ちゃんが思い出したように声を上げた。
「思い出した! 空こっち顔向けて!」
洋子ちゃんは突然、ティッシュを取り出しあたしの唇を拭き出した。
力を込めて……
「いたたっ!? 痛いよ洋子ちゃん!」
あたしの抗議が聞き届けられる事なく洋子ちゃんが満足するまで唇は拭き続けられた。
うう、ヒリヒリするよぅ……
「取り合えずこんなものか……」
消毒消毒とかブツブツいいながら、洋子ちゃんは丸めたティッシュをゴミ箱へ投げ入れた。
その後は、普通に終わり帰宅しようとして校門へ。
校門には人だかり……あれ? このパターン前にあったような?
そこにはリムジンにもたれ掛かるようにしている日向さんと、水都さんがいた……