三日月
5月23日(月)の投稿となります。
拙作『貧乳眼鏡っ娘の俺が異世界で無双するようですよ!?』もよろしくお願いします。
5月19日(木)無事?に完結いたしました。
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もう一つ『笑わない少女は血薔薇と舞う』そちらもよろしければご覧いただけると幸いです。
こちらは20時更新となっております。
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「俺は二宮 水都。八葉八家の者だ」
そう言いながは、気を失った日向さんを他の人に預けながら自己紹介をしてくれた。
年は日向さんと同じくらいかな?
青みがかった黒髪は短くカットされ、黒いフレームの眼鏡は知的な印象を与える。
インテリ風イケメン、そんな印象だった。
「俺のことは水都でいい。それで、怪我はないか?」
「いえ、日向さんが守ってくれたので……それより、日向さんは大丈夫なんですか?」
あたしがそう言うと水都さんは安心させるように微笑んでくれた。
「大丈夫。気を失ってるだけだ。多分力を使い過ぎただけだろう」
良かったー。
あたしは安心してホッと息をついた。
「空!」
お父さん達がこちらにやってきた。
お母さんが歩いているので治療を受けていたのだろう。
おたしも二人の所に駆け寄った。
「お父さん達も大丈夫?」
お母さんに抱きつきながら尋ねる。
「大丈夫よ。空も大丈夫そうね?」
ひとしきりお互いの無事を喜んでいると、水都さんがこちらにやってきた。
「失礼。陸海の方、出来ればお話をしたいのですが」
との言葉にお父さんが答える。
「そうだな……もう空の意志がどうとか言っていられる段階ではないようだ」
そう言ったお父さんの顔は苦渋に満ちた表情で……
案内された部屋には、すでに起き上がっていた日向さんがいた。
それともう一人、柔らかな印象の男性。
彼は三日月 月兎さん。
やはり八葉八家の三日月家の人で18才。
外見は、白……だった。
髪が白く目は赤の所謂アルピノなのだろう。室内なので被ってないがフードつきの厚手のコートを着込んでいる。
常に柔らかい笑みを絶やさない穏やかそうな人だ。
「彼は審神者なんだ」
そう日向さんが言った。
審神者といえば……
神託を受ける人みたいな意味だっけ?
「大体のところはあってますね」
そう言って微笑んでくれる月兎さん。
「ただ、八葉においては、意味が少し変わります。八葉では審神者とは、九神の姫の見極めとその言葉を伝える事です」
そう言った後あたしの頬に手を添える。
「あなたは、間違いなく初代の生まれ変わり。九神の姫です」
生まれ変わり! あたしはそんなフレーズに興奮していた。
「そして、かつて王邪と戦った戦士、八葉八剣士も同時に転生を果たしました」
運命に導かれた戦士! ヤバい鼻血でそう!!
「姫。今こそその力で我ら八剣士に力を授けたまえ」
そう言って3人は膝をつき、あたしを見上げる。
「そして、我ら八剣士は姫を守り抜く事を誓う」
……うん? まてよ、この話の流れだとあたしもしや。
「あのー? あたしに戦う力は?」
「九神の力は八剣士に絶大な力を与えることだよ。空さんは僕達が必ず守って見せるよ」
その日向さんの言葉はあたしには届かなかった。
なんて事だ! まさかの守られポジション!?
違うのよ、あたしは戦士をやりたいのよ。
今まで上がっていたテンションがだだ下がりになるのを感じながら3人の話
聞いていた。
つまり、八剣士が変身ヒーローだとするとあたしは変身アイテム扱い……3人の話を簡単に纏めるとこうなる。
こんなの、こんなの……あたしの望んだ厨二じゃなーーーーい!!!
あたしの厨二病を返せーーーーー!!!
まだ続きますよ?