第2話ー4
しばらくして、私は落ち着いた。そこで、彼にこの話題を振ってみる。
「君に身内がいないなら、どうする? 私のところに来る?」
「良いの? セクハラしちゃうよ?」
再び微笑。今度のは、照れ隠しのようだ。
「し、したら怒るけど、でも君は、一人ぼっちでしょ? 私も一人だから、ちょうど良いんじゃないかしら? 今の腐った国だったら、別段孤児院に預けなくても問題はないし」
「じゃあ、おねえちゃんについていくよ」
「そう。それじゃあ、改めてよろしく、ミナハ君」
私は彼の手を取って歩き出した。
「ところで、あなたは本当に子供? 何歳なの?」
子供らしい(?)いたずらを見せることもあれば、外見に似合わない、大人のような包容力もある。さっきも思ったけど、この子は、10年前のあの人に、どこか似ている。髪の色は違うけど、面影があの人と重なって、気になった。
「それは」
「それは?」
「――神様的な機密だよ」
どういうごまかしだろうか? 国家機密とか、企業秘密とかなら分かるけど、神様的機密ってのは何?
ミナハに対する疑問は絶えず、帰路の途中、根掘り葉掘り聞いてみた。それで、とりあえず分かったことがある。彼は、
「良い性格をした、人間でいうところのオヤジぐらいな歳をしていることは確か」
「おねえちゃん、ボクはそこまで歳はとってないよ。性格については褒めてくれたけど」
「褒めてない!」
本当に良い性格をしている。彼といた友達や恋人とやらは、彼と付き合えたのだから、大した人間だったのだろう。
彼と帰る途中、聖人じゃないかと思えるまで器が大きくなければ、付き合っていられないということは、良く分かった。




