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第6話ー9

「う、嘘だ……。こ、こんな小娘1人に、あ、ありえない……」


 部下を全滅させられ、皇はパニックを起こしていた。他に味方はいないので、皇は拳銃を抜いて撃ってくる。でも、それぐらいは簡単に避けられる。


「あ、あ、当たれええええ!」


 皇は弾丸に念を込めるが、それでも当たらない。EMCを所持しているのが皇1人になった以上、私の制約は、ほぼない。十分に強化された身体能力の前に、私を止める術はない。


「あ、あ、あ……」


 皇は引き金を引き続けるが、撃鉄は空っぽの弾倉を叩くだけだ。既に弾薬は尽きている。


 それでも皇は、火を噴かない銃から懸命に弾丸を吐かせようとしている。


「……」


 残ったのは、皇だけ。こいつだけはここで殺したいが、まだ殺せない。


「……こ」


「あ、あ、あ……」


「ペンダントは……どこ!」


 皇の襟を掴み、壁に叩き付ける。


「ペ……ン……ダ……ン……ト?」


「そう。吐けば、この場は見逃してあげる」


 ペンダントは、昨日倒したチンピラによれば、政府関係者に渡したという。与党議員も襲撃したけど、彼らが持ってない以上、あるとしたら魔術を研究している、この施設しかない。


 そして、この男は施設を取り仕切る長である以上、間違いなく知っている。


 でも、今の私は破壊――死につながるイメージで頭が一杯になっていて、従順に白状させる、繊細な生命が使えそうにない。もちろん、こいつを始末して、この施設をすべて破壊してからでも良いけど、それだと手間だ。だから、交渉している。


「あ、あ、あ……」


「あと10秒。10……9……8……」


 落ちているアサルトライフルを拾って、その銃口を突き付け、カウントダウンを始める。


「あ、あ、あ……」


「7……6……面倒だ。ご、よ、さ、に」


「地下10階です!」


 吐いた瞬間に、皇を投げ捨てた。壁にめり込み、皇は動かなくなった。


 別に殺しても良かったけど、嘘は吐きたくなかった。善悪に関わらず、すべてを破壊しようとしているとはいえ、嘘を吐いて私腹を肥やすような人間の同類には、なりたくなかったからだ。


「約束は護ったでしょ?」


 アサルトライフルを捨て、地下10階に向かう。

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