第6話ー2
それは、ベタベタなラブコメ的展開だった。
自室に帰ってきたら、彼女が裸エプロンで出迎えてきて、ディープキス。その時に睡眠薬を飲まされ、おまけに保険として用意した睡眠薬入りの食事にまで手を出して、ダウン。
* *
「はあ……」
やりとりのすべてを聞いて、私は溜息を吐くしかなかった。
涼姫の目的が分からず、さらに不意を突かれたとはいえ、食事ぐらいは不信感を持ってしかるべきでしょう。しかも、ディ、ディープキスって、何? どれだけ、あの女はハレンチなの?
「どうしたの?」
「いえ、何でもないわ。それで、彼はどこに?」
「……ここ」
ミナハは、スタンバイ状態になっているパソコンを復帰させて、新緑町の地図を表示させた。場所は、研究区。
「ここは以前、国が超能力や魔術を研究するために設置した施設。今はどうか知らないけど、セキュリティはかなり厳重な場所。今のおねえちゃんならそれほど苦労はないと思うけど、気を付けた方がいいよ」
「どうして――いえ、ありがとう」
聞こうと思って、やめた。彼が以前語った、彼の歴史の中に、その答えはあったからだ。彼が守人の拉致の経緯を知っていても、もう不思議ではない。
「それじゃあ、行ってきます」
もう少し休息を取りたかったが、その時間はなさそうだ。私は彼からもらった指輪を持って、出かけた。




