第6話ー1
1月8日午後10時。
「あー、疲れた」
寮に戻ってきて、私はすぐにベッドに倒れこんだ。
「犯罪に繋がるところはかなり潰したけど、まだ足りない」
ミナハから力を託されて以来、私は様々な活動をしてきた。
探し物については、色々探してはいるけど、首謀者もペンダントも見つかってない。ただ、その過程で様々な悪人を懲らしめてきた。ペンダントに関しては、悪人が持っているとの情報が多いので、今では探し物ついでに、世直しもしている。
本来の目的の成果は上がってないけど、世界の崩壊日以来大幅に増加していた犯罪件数は、かなり減少した。
「おかえり、おねえちゃん。ずいぶん活躍してるね」
考え事をしていると、ミナハが私の顔をのぞき込んできた。
「ただいま」
あの日、私はミナハの正体を知った。でも、今までと接し方は変わっていない。
私は敬意を持って接したかったけど、彼はそれを拒絶した。仕方なく、私が彼の依頼を果たすまでは、今まで通りということにした。
私は起き上がって、リフレッシュのためにコーヒーを入れる。
「君も飲む?」
「うん」
コーヒーを飲んで、一息つく。それから栄養補助食品でお腹を膨らましていると、ミナハが口を開いた。
「ねえ、おねえちゃん」
「何?」
珍しく、彼は微笑を浮かべることなく、真面目な顔をしている。
「この前、彼に会ったよ」
「彼?」
「あのヘタレなお兄さん」
「ああ……」
ヘタレで納得してしまうあたり、あの男のダメっぷりが知れてくる。
「それで?」
「うん。中々おちょくり甲斐があって面白かったよ」
「……そう」
「あれ? あまり関心がない?」
「今は、他のことで忙しいからね」
本音で、そう思っている。あのヘタレのことは、今は気に掛けることじゃない。
「ふーん。でも、ここから先の話は、関心があると思うよ?」
ミナハは、微笑を浮かべて語り出した。
「今日、あのお兄さんが拉致されたよ」
「…………なぜ?」
「さあ、理由は知らない。でも、推理はできるよ」
ミナハは、私の方を指す。
「私?」
「うん。拉致したのは、お姉ちゃんがこの前破滅させた、好自党の人の身内。お姉ちゃんも怪しいと思っている人」
「……あいつか」
守人に絡んでいた理由は、今でも分からない。でも、私に嫌がらせをする目的ということを念頭に置けば、彼を拉致する理由は見えてくる。
「1つ聞きたいけど、どうして君は、彼が拉致されたことを知ってるの?」
「その時、見てたから」
彼は、守人と涼姫のやりとりの一部始終を語り出した。




