第5話ー8
ミナハという少年との話は、結構長かったようで、寮に着くころには時刻は午後8時を回っていた。
「……お腹空いたな」
何を作ろうか考えながら自室の鍵を開け、中に入る。すると、
「おかえりなさーい、あなたー!」
不審者が、僕に抱き着いて、何かをしてきた。
「う、ううん……!?」
何をされているのか、さっぱり理解できない。あまりに異様なものを見せつけられたせいか、脳の処理が追いつかない。
「あ……んちゅ。……うん、む」
…………徐々に、頭が回ってきた。とりあえず、何とかしよう。
「う……だああ!」
僕の口の中を侵略してくる不審者を、どうにか引きはがすことができた。その人物は、床に倒れこみ、芝居じみた口調でこんなことを言う。
「ああ、なんということ!? 妻が夫に奉仕しようとしてるのに、夫は私を拒絶するなんて……。およよよよ……」
「……」
とりあえず、どこから突っ込めば良いだろうか。うん。まずは、肝心な所からにしよう。
「団さん、まず一つ言わせて。僕は、君の旦那じゃないし、そもそも付き合ってすらないでしょうが!?」
「ひどいわ、あなた! 私のお腹には、あなたの子供がいるのに!」
「いないから! 僕は、君と……変なことはしてないから!」
「そんなことないわよ。ほら、見る?」
彼女は、唯一纏っているエプロンを上げようとする。
「あー、見せなくていいから! とりあえず、何か着て!」
もう、僕はどうしたらいいんだろう。




