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第5話ー2
午前9時。始業ベルが鳴る。
僕は教室で入り口を見ていたが、結局彼女――団さんは来なかった。
「何か、あったのかな……?」
内心でひとりごちる。でも、異変はそれだけではなかった。
「なあ、見たか?」
「ああ、見た見た。すっげーよなー、会長。重傷を負ったのに、もう登校してきてるぜ?」
「バカ、そうじゃねーよ。今まで最低限の身なりしかしてなかったのに、やけに綺麗にしてるじゃねーかよ。ご丁寧に、長い緑色のウィッグまで着けてるしよー」
「ああ、そうだな。絶妙なバランスっつーか、絶対領域っつーか。すんげーエロいよなー」
今までは、堅苦しい会長としか皆見てなかったのに、今日の美奈陽には、誰もが女に向ける視線を浴びせている。正直に言うと、僕も同意見だ。
――いや、本題から話が逸れてしまっている。今は、何でこんな急激な変化があったのかを考えなくては。




