第1話ー1
数多の雪が地上に降り注ぎ、荒れ果てた大地は真っ白に染まっていた。
何も無くなった大地に、私は立っていた。雪だけでなく、様々なものを失って、私は色々な意味で凍っていた。
ただ、そこにはもう1人いた。彼は、私を抱きしめてくれた。暖かかった。
「君は、生きてくれ。君を育ててくれた両親のためだけでなく、私のために」
何で、そんなことを言ったのだろう。両親のためというのは理解できたけど、彼のために生きるというのは、どういう意味だろう?
私には分からなかった。ただ、彼の真摯な眼差しは、あまりにもまぶしくて、私は自然と頷いていた。
「……ちょう、生徒会長」
教室の机に伏せている私の耳元で、私を呼ぶ声が聞こえる。けど、12月の寒さを吹き飛ばしてくれる暖房が、心地良い温度にしてくれているので、起きたくない気分だ。
「――美奈陽。お疲れのところ申し訳ありませんが、これから会議の時間ですよ。起きてください」
ああ、そういえば今日は、明日――12月14日に予定されている、復興ボランティアについての会議だった。起きなくちゃ。
私は顔を上げた。
「おはよう、メイさん」
「おはようございます、美奈陽」
メイは、健やかな笑顔で私を目覚めさせてくれた。
水無月メイ――国立新緑高校の2年生で、生徒副会長。私の補佐をしてくれている。
身長は私より少し低いけど、スタイルは私より少し良い。ライトブルーの髪をポニーテールにした、グラマーな美人。
厳しいけれども本当の優しさを知っている、非常に有能な人。その気質から男女問わず人気があり、あまり他人と話さない私でも、彼女とは話す機会が多い。
「それじゃあ、行きましょう」
メイと一緒に、生徒会室へと向かう。




