第3話ー8
午後の授業が終わり、放課後。私はアンを連れて、生徒会室に向かっている。
「生徒会は、どんな活動をしているのでしょうか?」
歩きながら、アンが聞いてきた。先ほど屋上で見せた素ではなく、再びお嬢様を演じている。私としてはあちらの方が好ましいけど、今は他の学生がいるから仕方ないことか。
「色々……としか言えないわね。たとえば、去年は企業の復興活動の手伝いを企画したし、地域の方の要望を取り入れてボランティアもしたし」
「つまり、色々というわけですか」
「そういうこと」
「でも、学生の活動としては、その範疇を超えていませんか? 復興活動の手伝いなら、どちらかというと国の仕事だと思うのですが」
「その国が、動かないからだよ。
10年前の災害で、損害が軽微な地域の復興を優先してきたから、損害が大きいところは後回しになってしまった。いえ、それが精一杯だった。
でも、今は軽微な地域の復興は終わってるから、そろそろ重度の損害を受けた地域の復興に移っても良いだろうに、国は動かない。今の政府は、綺麗事を口にするだけで、実行しない。
国が動かず、民間が手一杯なら、NPOなり我々学生が動くしかないじゃない?」
「それはそうですけど……そういえば、よくそんなことができましたね。一介の高校生に、そんなことができる裁量があるとは思えないのですが」
「それは、この学校の特殊性からだよ。ここは唯一の国立高校で、普通に考えたらお堅い学校に思われるけど、本当に社会貢献できる人材の育成を目的としている。だからこそ、高校生であっても成長に役立つこと、社会貢献に資することであれば、法に触れない限りは、比較的自由にやらせてもらえるのよ」
私がこの新緑高校に惹かれた理由は、ここにある。自分がしたいことを積極的にやらせてもらえて、人間として成長できるから。他にも、成績優秀者には学費免除どころか無償でお金がもらえるとか、施設も便利だとか、様々な利便性からも選んだわけだけど。




