第3話ー4
守人たちと別れて数分歩くと、学校に着いた。幸い、彼らとはクラスが違うので、放課後までは彼らの顔を拝まずに済みそうで、気分が楽だ。
ただ、彼ら以外にも、頭が春になっている者がいた。教室に入ると、クラスメイトはざわついていた。
「何かあったの?」
指定の席に掛け、隣の席の女生徒に聞いてみた。
「今日、このクラスに転校生が来るんだって」
転校生? 2年の三学期に来るとは、微妙なタイミングだ。
「それで、どうしてこうもざわついてるの?」
本題を聞くと、女生徒は呆れるように答えた。
「転校生は、女なんだって。噂によると物凄い美少女らしくて、男たちは狂喜乱舞ってところ」
「……なるほど」
周りを見渡してみると、確かに、ざわついているのは男子生徒だけで、女子生徒は普段と変わらない。いや、微妙に快くは思ってないようだった。どんな子だろうか?
朝礼のチャイムが鳴り、生徒たちは一斉に席に着いた。それから数分して、教師が教室に入ってきた。あいさつも早々に、教師は噂の人物について話し出した。
「今日は、転校生を紹介する。男子諸君にとっては嬉しい話だろう」
教師はドアを開け、転校生を招き入れる。
入ってきた転校生は、長い黒髪をツインテールにした、童顔の小柄な――150センチもないかもしれない女だ。ただ、小柄な体型には似つかわしくないアンバランスなスタイルをしている。私より大きかった。
「不知火アンと申します。皆さん、よろしくお願いします」
綺麗な字で黒板に名前を刻み、優雅にお辞儀をする。その所作からして、どこかの令嬢だろうか。
不知火が挨拶を終えると、男子生徒は一斉に盛り上がった。確かに、魅力的な容姿をしているし、大人しそうな雰囲気。幼女趣味な男でなくとも、誰もが惹かれるだろう。
男子の盛り上がりは、放っておけばいつまでも続きそうだったが、教師によって抑えられた。
「はいはい、盛り上がるのは後にしてくれ。それじゃあ、彩の隣が空いてるから、そこに座ってくれ」
「分かりました」
不知火は、足音を立てずに歩いてきた。
「よろしくお願いします。えーっと……」
「彩美奈陽。生徒会長をしてます。こちらこそよろしくね」




