テマの横顔。
お手に取ってくださりありがとうございます!
「ここでは補給だけだからな。
君らは降りなくていいから、お留守番しててくれよ。」
そうコール船長は港に船を停めながら言った。
私たちははーい、と返事した。
「うう、お風呂に入れないなんて…。」
ネイアは悲しそうに言った。
「ネイア先輩の言う通り、お風呂入りたいなー。」
そうスターリィは言った。
「そうか?お前ら臭くないし、大丈夫だろ。
平気だ平気。」
そうトマス先輩は言う。
「いやトマス先輩が気にならなくても私は気にするんですー。」
ネイアはちょっと怒りながら言った。
「そういうものなのか?」
トマス先輩はそう私に聞いてきた。
「そういうものですよ。先輩。」
「まあ、ドトタルに行って沢山入れ。
あそこ、かなり観光地として栄えているからお風呂とか温浴施設沢山あると思うし。」
「そうなんですか。」
「そうなんだよ。
昔のドトタル市は圧政により観光地とかでは無くてただの街だったんだ。
でも何十年か前に市民革命か何かが起きて…今の民が中心になって政治を行うドトタル市になって、それの副産物で観光業が栄えたんだ。」
「へぇー!お詳しいですね、先輩。」
「配達員しているとこんな話なんかいくらでも聞くからな。公園で休んでいたら、近くの爺や婆に街の歴史を聞かされる、なんてよくあることだしな。」
「なるほど。」
「そういう時はてきとうに相槌打って、そろそろ仕事なんでって言って帰るといいぞ?」
トマス先輩がドヤ顔をしながら言っているのを見た私は、なんだか面白くなってしまい
「ふふ、覚えておきますね。」
と、トマス先輩にそう微笑みながら返した。
トマス先輩の表情が一瞬固まった気がした。
「わ、珍しい!
私以外でテマが笑うなんて。」
ネイアがそう隣から言ってきた。
「確かに、テマが笑うとこ見ないや。」
スターリィも参戦してきた。
「ああ。」
そう言って、トマス先輩は顔を背けてどこかへ行ってしまった。
「あらぁ。」
コール船長は手を顔の前に当てている。
お読みいただきありがとうございました!
トマス先輩どうしたんでしょうねえ。




