スターリィお前何者なんだよ。
お手に取っていただきありがとうございます!
───トマス先輩side
「いやあ、ネイア先輩のお料理美味しいですねぇ。」
隣でスターリィがカカラックさんに貰ったグラスに入ったお酒をちまちま飲んでいる。
どこか上機嫌そうだ。
「お前ほんとに俺より年上なのかよ…。」
「え?僕そんな年上感ないですかねぇ…。
まあ、別に歳なんてどうでもいいですけどね。」
酔い潰れそうなスターリィを隣で見張りながら、俺はポケットに入れた予定表を取りだした。
確認すると…俺はしばらくドトタル市で働くらしい。
そこでは新人のあいつ、テマとバディを組んで配達するらしい。
ドトタル市のとある貴族の家に行って、外国からの品物を届けるらしい。
このダンディライオン号に乗っている荷物もあるが、他の船の荷物も届けそうな感じだ。
あとで、船にある荷物を確認しておかなければ。
そう思いながら予定表をじっくりと目を通している俺にスターリィは話しかけてきた。
「せんぱあーい。なにみてるんですかぁ?」
気づいたらさっきよりもスターリィの酔いが回ってるような気がする。
「せんぱいってー、なんでブリーズはいったんですかぁ?」
完全に酔いながらそんなことをスターリィが聞いてきた。
「…なんでもいいだろ。」
「そこをなんとかぁ。」
「…」
この馬鹿はあとで自制というものを身につけさせなければいけないだろう。
「はぁ。
俺は自分の国から出てみたかったんだよ。」
「わあー。ぼくとおなじだぁ。
ぼくもね、じぶんのくにからでたくて、ブリーズはいったのぉ!」
「そうなのか。一緒だな。」
「うん!うれしいなぁ。」
「はは…。」
つい呆れた笑いが漏れてしまった。
俺も5年後にはこうなるのだろうか。
こうにはなりたくはない。
「…せんぱいって、どこのくにうまれなんですか?」
「俺?俺は…アテスカット出身だ。」
「えー!あのアテスカットなんですか?
めずらしいですね。」
「だろうな、あそこは閉鎖的だしな。」
「ぼくいっかいアテスカットいってみたいんですよねぇ。」
「配達員でいずれは行くだろうよ。
…まあ、行く時は気をつけろ。
行くのはオススメしない。ぞ。」
「えへへ、たのしみですね。」
「そういうお前は?」
「ぼくはですねぇ…ルゥーイおうこくって、わかりますかぁ?」
「お前ルゥーイ出身なのか?」
「あっ、しってますかぁ?」
「ああ、知ってるよ。
クリュスタから比較的近いじゃないか。」
「そうなんですよぉ。
せんぱいのくによりめっちゃちかいですね。」
「てかあそこ…金の国と言われているところだよな?」
「はぁい。そうなんですよぉ。
きんでまちがおおわれていて、きらびやかですよねぇ。」
「そこに住んでたなんて…凄いな…。」
俺は1回口を閉ざして、自分の言いたいことを言っても大丈夫か一旦考えてから
口を開いた。
「なあ、お前って…なにも…」
そう言いながらスターリィの方を見た時には、スターリィは幸せそうな寝顔で寝ていた。
「の…」
はぁ、と俺はため息をついた。
金の国、ルーゥイ。
街全体が金で覆われていて絢爛豪華な国だ。
1度ブリーズで訪れたことがあるが、その時は少し内政が乱れていたらしくあまり長くは滞在の許可がおりなかった。
そこの国はお金持ちの極意とされる国で、その国の市民は他国に出たら貴族となれるほどの財力を持っていたはずだ。
それほどまでにそこの国の経済は豊かだった。
そんな国に居たスターリィ、22歳。
ますますこの幸せそうにスピスピと寝ているスターリィが何者か分からなくなってきた。
お読みいただきありがとうございました!
前回の話が短かったので今回は長めにしました。
スターリィは何者なんですかねぇ。




