前の先輩方
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「え!え!コール船長!?コール船長が寒くなってしまいます!」
私は急いで上着を脱ごうとした。
そんな私の肩を軽く持って
「脱がないで。俺は大丈夫だから。
だから、これ着てて寒いなら。」
今ので少し暑くなった私だったが
暑くても脱ぎたくなくなっちゃった。
「分かりました…。」
「ていうかごめんね、おじさん臭いでしょ?」
コール船長は申し訳なさそうに言う。
「大丈夫ですよ!コール船長の匂い落ち着くので!」
「ふふ、そうかい?それならいいのだけれど。」
そう微笑むコール船長の横顔に、胸が高鳴った。
どうしよう、帰りたくないな。
お腹が空いているのにも関わらず、操縦室から出られなかった。
「ネイアちゃんお腹空いてないの?皆も待ってないの?大丈夫?」
コール船長は心配そうにこちらを見た。
「大丈夫です!
私皆に先食べてて、と言ってきたので。」
「そうなの?」
「はい」
「それならいいんだけど…。
そうだなぁ、最近はどう?」
少し困った表情をした。
「最近はお仕事にも慣れてきていい感じですね。今日に関してはテマが乗ってきてくれたので、嬉しいし、これからの仕事が楽しみになりました。」
「ふふ、良かった。」
「テマが来てくれて、ほんとにすっごく嬉しくて!」
「そうだね、今まで俺とカカラックとトマスとテマちゃんが来る前に前に乗ってた先輩のチクタックとガラリアというほぼ男性陣だったものね。」
「シェータリさん女性がしかいないとは思いませんでしたよ…。」
「それは…すまないね。」
「大丈夫ですよ!
テマに今回会えたので問題はないです。」
「ふふ、そういえばシェータリちゃんも君に会えて嬉しそうにしていたんだよ?」
「そうなんですか?」
「ああ、今までトマスくらいだったんだよ、シェータリちゃんが気に入ったの。
というか…話しかけるのをカカラックが許したのは。」
「え、そうなんですか?」
「ああ。今までシェータリちゃんに話しかける野郎はだいたい顔目当てだったからな。
…まあ、チクタックとガラリアは普通にカカラックの方が好きだったから
シェータリに興味はなかったんだけどな。
ほんと、変なコンビだったよ…。」
「また会えますかね、あの先輩方も。」
「ああ、会えると思うぞ。」
お読みいただきありがとうございます!
コール船長的にはただの娘的な存在としか思ってないです。ネイアが報われることなどないのです。




