ネイアとコール船長
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ネイアside
「みんな先食べてて!ごめん!」
そう言って私は操縦室へと急いだ。
「コール船長!ごめんなさい!
遅くなりました!夕食をお持ちしました!」
コール船長はこちらをチラリと見た。
「大丈夫だよ。
持ってきてくれてありがとうね。」
コールはにこやかに言った。
「いえいえ…。」
「俺が言った通り、ご飯豪華にしてくれたんだな。」
「は、はい!
豆のトマト煮とバゲット
クリュスタの名物料理のオムレツを再現しました。口に合えばいいのですが…。」
私は少しドギマギしながらコール船長に渡した。
「ありがとうね。」
そう言ってコール船長は私から箱を受けとり、傍にある机に置いた。
思ったんだけど、コール船長食べづらいかな、手伝った方がいいかな?
そう考えている私に気づいたのかコール船長は
「ネイアちゃんここの操縦室冷えてるし、寒いし、こんなおじさんしかいないでしょ?
早く帰ってみんなと楽しく食べておいで。」
と、言った。
そんな言葉、かけないでくださいよ。
「いえいえ、コール船長食べづらいでしょうから、手伝おうかと…。」
「いやいや、お嬢さんに手伝わさせる訳には行かないよ。後でカカラックと操縦交換するし、ね?」
コール船長は焦るようにしながらサラリと断った。
お嬢さんと言われ私は少し照れてしまった。
「え、でも…。」
引きさがろうとしない私に対してコール船長は
「というか、寒いよね。ごめんね。」
と、話題をすり替えてきた。
「…たしかに、寒いですね。
コール船長は大丈夫なんですか?」
「大丈夫だ。俺は重ね着しているからな。」
「いいなぁ。」
そう呟く私は足元に視線を落とした。
やっぱり、コール船長に相手されないな。と残念に思いながら。
その時、パサッと何か音がした。
私の肩が少し重くなったような気がした。
そして、煙草の匂いがふわりと香った。
「えっ?」
私は視線を自分の肩に移した。
すると、そこには先程までコール船長が着ていたコートがかけてあった。
お読みいただきありがとうございました!
コール船長×ネイア回です。




