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テマのお届け物日記  作者: ななわ
ドトタル市編
17/25

シェータリの過去

お手に取っていただきありがとうございます!

「領主に轢かれた…!?」


ネイアは少し怒ったような声を出した。


「ええ、昔のことだけれどね。」


「シェータリ…。」


カカラックさんが何か言いたげに口を挟んだ。


「ふふ、まあこんな暗い話をあなた達とするのも趣味ではないから、もう終わりにするわよ。」


シェータリさんはそう言って口を閉ざしてしまった。


「ま、まあ、今シェータリさんがお元気ならいいと思います!」


ネイアはそう自分に言い聞かせるかのように言ったが、表情は暗かった。


「あ、で、私達は機関室のお手伝い、何すればいいですか?」


私は少し戸惑いながらもここに来た本来の意味を思い出した。


ああ、と思い出すかのようにカカラックさんとシェータリさんは言った。


───トマスside


「トマス先輩、年下には見えなかったです…。」


2人で操縦室までの廊下を歩いている途中スターリィはふとそんなことを言った。


「俺もだよ。

お前よく若く見られるのか?」


スターリィのその顔はかなりの童顔という印象を受けたが、だけれども確かにどこか大人っぽくも感じる。


「んー、まあそうですね。

初対面の人で僕のことを知らない人には若く思われがちですね。

でも周りの人間は大体年齢知ってたので。」


スターリィは少し考え込むように唇に指を当てる。


やはりこいつ、どこか色っぽい。


「ああ、親戚とかの話か?」


周りの人間、というのがいまいちピンと来なかったので聞いてみた。


「いや、社交界全体で…。」


社交界だと?

社交界なんて、貴族しか行けない場だぞ?


「社交界?お前…。」


俺はいつの間にかそんなことを口にしてしまっていた。


「ふふ、やっぱりなんでもないです、よ?」


そう少し微笑みながらミステリアスな雰囲気を漂わせるスターリィは、やはりこう見ると

大人のように見える。


社交界のこと、なんでクリュスタ市からこいつが来たのか、お前はどんな人間なのか、

そういうのを色々聞きたい気持ちを───


「馬鹿なことを言うなアホが。」


───そんな気持ちをどこかに捨てて

スターリィの頭をポコっと軽く叩いた。


「先輩暴力反対!!!」


「うるせぇ。」


ここでは皆がブリーズの社員。


俺らに元の身分の何もない。


そう、自分に言い聞かせるようにした。


操縦室まではあと少しだ。

お読みいただきありがとうございました!

スターリィは沼男です。

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