シェータリへの疑問が募る。
お手に取ってくださりありがとうございます!
「こんにちは。」
鈴のような綺麗な声で奥さんに話しかけられる。
「こ、こんにちは。」
私は少し緊張しながら返事する。
「ふふ、緊張しているのかしら?
可愛らしいわね。
私はシェータリです。カカラックの妻です。
よろしくね?」
そう首を少し傾げてそう言った。
なんて綺麗な人なんだろう。
ぼーっとしてしまいそうになる自分を抑えて私も自己紹介する。
「よろしくお願いします。
私はテマっていいます。」
「ふふ、また新人さんは若い子なのね。
ちなみに差し支えなければあなたはいくつなの?」
本当に綺麗な声だな、と私は思った。
「18です。」
そう答えるとシェータリは驚いた顔をした。
「あらあら、ネイアちゃんの一つ下なのね。
ふふ、こうして見ると2人とも姉妹みたいだわ。」
そう言って微笑んだ。
カカラックさんはこちらを笑顔で眺めており、ネイアに関しては話しかけたそうにしている。
「ふふ、ネイアちゃんは初の後輩と女の子の配達員の同僚が増えて良かったわね。」
「ほんとうにそうですよ〜。
入社してからずっとこの2ヶ月間トマス先輩と前のクリュスタで降りた先輩の男性陣としか話してなかったですもん。」
ネイアは少し拗ねている。
「ふふ、だから私を見つけた時、ネイアちゃんすっごく喜んで話しかけに来てくれたわよね。」
「シェータリさん忘れてくださいよ〜。」
「いーやよ。」
シェータリはいたずらっ子のようにそう返した。
「だってネイアちゃん、女の子の配達員なんで乗ってくれないの、乗ってよ〜!って、ずっと言ってたものね。」
「もー!恥ずかしい…。」
ネイアは何故か恥ずかしそうにしている。
「ふふ、でも良かったわね。」
「…うん。」
でも、ネイアの顔が笑顔に戻ったので大丈夫だろう。
「で、あなたはテマちゃん?でいいのよね?」
「は、はい。
テマです。」
「テマちゃんは背丈が私と同じくらいかしら?」
「えっと…」
シェータリさんは座っているので、背丈が分からない。
立ってみてくださいと言おうかと思ったが、
義足が目に入ってしまい、触れてもいいのか悩んだ。
「そうなん…ですかね?」
「ああ、そうよね。
わからないわよね。
カカラック、ちょっと手伝ってちょうだい?」
そう言ってカカラックさんの方を見たかと思えば、カカラックさんはすぐさま手を差し伸べて立つ手伝いをした。
「あ、えっと、座っててください…。」
「ふふ、大丈夫よ。
義足付けてるし。」
そう言いながら立つと、確かに私と同じくらいの背丈だった。
「これ、義足ね、前の私の足と同じくらいのサイズに調整されているから前は素足でこのくらいの背丈だったのよ。」
「へえ…。」
「あ、ちなみにね、これはコールがプレゼントしてくれたの。」
「え、そうなんですか!?」
ネイアは話に入り込んできた。
恋バナが大好きな女子のようだった。
「ふふ、そうよ。
事故で足を失ってしまった私に義足をフルオーダーメイドで作ってくれたの。
嬉しいことにね。」
「フ、フルオーダーメイド…」
ネイアはそれを聞いて何も言えなくなっていた。
いくらするのだろうか…。
というか、コール船長はどこからそんなお金を出したのだろうか。
「ええ、おかげで前の足と何も違いがないわ。」
「というかシェータリさん、事故にあったんですか…?」
ネイアは心配そうにシェータリさんに聞いた。
「ふふ、随分前のことだけれどね。
私が昔住んでいたところで事故にあったの。
ちょうど…今から行くドトタル市なのだけれどね。
そこの前領主が乗っていた馬車に轢かれてしまったの。」
お読みいただきありがとうございました!
しばらく私情で更新できていませんでした。
申し訳ありませんでした。




