お酒飲めるらしい。
お手に取ってくださりありがとうございます!
「トマス先輩が年下だからじゃないんですかね?」
ネイアは遠慮なく言った。
「まあ…うん、そうかもしれないが。」
「あ、でもそうしたら私も年下なのに
なんで扱いが違うんだろう…」
「たしかにな。
まあ、俺はあの夫婦とコール船長さんとは2年ほど付き合いがあるからな。
それもあるんじゃないか。」
「確かに。
にしても先輩っていくつなんですか?」
正直私も気になる。
先輩は幼い顔立ちをしているが、どこか筋肉質で、ギャップを感じる見た目なのでパッと見何歳か分からない。
「俺?俺はお前らよりは年上だと思うぞ。
ちなみにお前らはいくつなんだ?」
「私は19です。」
ネイアがそう答えて、私を見たので私は自分の年齢を言う。
「え、えっと、私は18です。」
ネイアにバトンを託されたのでスターリィの方を見る。
「え、僕?ええっと、僕は22歳だよ。
成人しているよ。」
「そうなのか?」
トマスは驚いた顔をした。
「そ、そうだったんですか。」
私も驚いた声をあげた。
「そうなんだけど…。そう見えないのかなぁ…。」
スターリィは少し落ち込んだ。
正直、私と同い年くらいだと思っていたのでびっくりした。
お酒飲める歳なんだ。
「で、トマス先輩はいくつなんですか?」
「俺は…。」
沈黙が流れる。
「17だ。」
沈黙を破ったのはネイアだった。
「え!先輩年下なの!?!?
しかも多分最年少!?!?!?!?」
続いて
「せ、先輩てことは2年も前からこの船にってことは…!?」
と、スターリィは言った。
「15歳から入社したんですか!?」
私も驚いた声を出した。
「お前らうるさいぞ。」
「それなら、先輩がご夫婦に好かれるのも納得というか…。」
スターリィは失礼なことを言う。
「むしろ大好きというより、子供扱いされているんですね。」
ネイアは納得した。
「おいお前ら失礼だぞ。」
「まあまあ…。」
私はトマス先輩をなだめた。
そんなことを話していたら
「失礼するぞー!」
そう言って食堂のドアが大きく開かれた。
「お!トマスじゃないか!」
「げ。」
トマスは嫌な顔をしてそう言った。
「げとはなんだ。」
そこにいる、元気な大男を。
「カカラックさん…。」
トマスはその男をそう呼んだ。
「で、でかい。」
スターリィは小声でそう反射的に言った。
身長が190はあるだろうか、とても大柄でがっしりしていて、髭が生えている。
そして、皺が眉間に少し刻まれている。
細身のコール船長と違い、こちらはガタイがいい。
しかも、おちゃらけていない。
「お!お前らが今日から来た新人ちゃんか?」
カカラックと呼ばれた男はこちらを向いて話しかけてきた。
「は、はいそうです。」
私とスターリィは反射的に答える。
「これまた若い子が入ってきたなぁ!
シェータリが喜ぶわぁ。」
そう、嬉しそうに話した。
お読みいただきありがとうございました!
カカラックさんはすごく大柄です。




