クリュスタのクッキー
手に取ってくださりありがとうございます!
「あなた、うるさいわよ。」
シェータリちゃんの不満そうな声が聞こえる。
「すまんすまん、ほらよ、食堂からお菓子取ってきたぞ。」
「何かしら…あら、これは。」
「何を貰ったのシェータリちゃん?」
「…あなた、これお菓子の袋にコールって書いてあるわよ、返してきなさいな。」
「あ!!!ほんとだ、気づかなかったや。」
カカラックはほんとに気づいてなかったのだろう。
「ああ、俺がクリュスタの有名なクッキー店で買ったクッキーかな?食べてもいいよ。」
ダンディライオン号のメンテナンスを2人がしている中、俺は1度地上に降りて、最近有名なクリュスタ市のクッキーを買いに行ったのだ。
「いいの?」
シェータリちゃんは申し訳なさそうに聞いてくる。
「いいよ。」
俺は微笑みながら言った。
「ありがとうね、コール。
あと、あなたはコールに謝りなさい。」
「すまんの、コール。」
「いいよ、シェータリちゃんが喜んでくれてるなら全然。」
「はは、お前はいつも変わらずシェータリのことを大事にしているんだな。」
カカラックは少しトーンを落としてそう言ってきた。
「…」
俺は一瞬言葉に詰まったが
「だってほら、シェータリちゃんもお前も今回クリュスタで降りれなかっただろ?
少しでもクリュスタの気分を味わって欲しくてね。
多分クッキーそれ2種類あって、2つの箱に合計24個入ってるから、2人で分けて食べな。」
そうヘラヘラと言った。
「コールゥ………♡イケメン…♡」
カカラックは気持ち悪い声を出した。
「やめろお前気持ち悪い。」
「なんだよぉ、俺のこんな可愛い声を気持ち悪いなんて言うなんて…。」
うう、とカカラックは泣き真似をする。
「はいはい、とりあえず今エンジン安定しているし、今食べちゃうわね。
ありがとうね、コール。」
そうシェータリちゃんが面倒くさそうに言って、伝声管の蓋を閉める音がした。
なにか2人で話しているような気もするが、もう何も聞こえない。
「別に俺は、まだシェータリちゃんが好きな訳じゃないから…安心しろ。」
「俺はただ…後悔しているだけなんだ、あの時のことを。」
そう、独り言を呟いた。
テマside
「えっと、私は明日は一日休みで次の日から機関室手伝い…。」
私は当番表を見ながら確認するように言う。
「うんうん、私とテマで機関室手伝いみたいだから、あのお2人さんと話せるチャンスだね!テマ!」
ネイアがそう私に話しかけてきた。
「俺とスターリィは、操縦室だな、しばらく。」
「は、はい!先輩よろしくお願いします!」
「…ああ。」
元気なスターリィに少し先輩は引いていた。
「あ、私今日夕食担当だから一瞬多分機関室テマ1人になると思うけど、多分シェータリさんがサポートしてくれると思うから、大丈夫だよ。」
ネイアは私にそう教えた。
「うん、分かった。
シェータリさんって、機関室にいるカカラックさんの奥さんだよね?」
「そうよ!とても優しくて綺麗な方よ!」
「そして大の俺好き。」
トマスはダルそうにそう言った。
「な、なんでトマス先輩のことが好きなんですかね?」
スターリィが少し緊張しながらも会話に混ざる。
「さあ?知らん。」
だが、ぴしゃりと言われてしまう。
スターリィ可哀想、と思ったテマだった。
お読みいただきありがとうございました!
クリュスタのモデルはとある国のとある小島です。




