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テマのお届け物日記  作者: ななわ
ドトタル市編
12/25

クリュスタのクッキー

手に取ってくださりありがとうございます!

「あなた、うるさいわよ。」


シェータリちゃんの不満そうな声が聞こえる。


「すまんすまん、ほらよ、食堂からお菓子取ってきたぞ。」


「何かしら…あら、これは。」


「何を貰ったのシェータリちゃん?」


「…あなた、これお菓子の袋にコールって書いてあるわよ、返してきなさいな。」


「あ!!!ほんとだ、気づかなかったや。」


カカラックはほんとに気づいてなかったのだろう。


「ああ、俺がクリュスタの有名なクッキー店で買ったクッキーかな?食べてもいいよ。」


ダンディライオン号のメンテナンスを2人がしている中、俺は1度地上に降りて、最近有名なクリュスタ市のクッキーを買いに行ったのだ。


「いいの?」


シェータリちゃんは申し訳なさそうに聞いてくる。


「いいよ。」


俺は微笑みながら言った。


「ありがとうね、コール。

あと、あなたはコールに謝りなさい。」


「すまんの、コール。」


「いいよ、シェータリちゃんが喜んでくれてるなら全然。」


「はは、お前はいつも変わらずシェータリのことを大事にしているんだな。」


カカラックは少しトーンを落としてそう言ってきた。


「…」


俺は一瞬言葉に詰まったが


「だってほら、シェータリちゃんもお前も今回クリュスタで降りれなかっただろ?

少しでもクリュスタの気分を味わって欲しくてね。

多分クッキーそれ2種類あって、2つの箱に合計24個入ってるから、2人で分けて食べな。」


そうヘラヘラと言った。


「コールゥ………♡イケメン…♡」


カカラックは気持ち悪い声を出した。


「やめろお前気持ち悪い。」


「なんだよぉ、俺のこんな可愛い声を気持ち悪いなんて言うなんて…。」


うう、とカカラックは泣き真似をする。


「はいはい、とりあえず今エンジン安定しているし、今食べちゃうわね。

ありがとうね、コール。」


そうシェータリちゃんが面倒くさそうに言って、伝声管の蓋を閉める音がした。


なにか2人で話しているような気もするが、もう何も聞こえない。


「別に俺は、まだシェータリちゃんが好きな訳じゃないから…安心しろ。」


「俺はただ…後悔しているだけなんだ、あの時のことを。」


そう、独り言を呟いた。


テマside


「えっと、私は明日は一日休みで次の日から機関室手伝い…。」


私は当番表を見ながら確認するように言う。


「うんうん、私とテマで機関室手伝いみたいだから、あのお2人さんと話せるチャンスだね!テマ!」


ネイアがそう私に話しかけてきた。


「俺とスターリィは、操縦室だな、しばらく。」


「は、はい!先輩よろしくお願いします!」


「…ああ。」


元気なスターリィに少し先輩は引いていた。


「あ、私今日夕食担当だから一瞬多分機関室テマ1人になると思うけど、多分シェータリさんがサポートしてくれると思うから、大丈夫だよ。」


ネイアは私にそう教えた。


「うん、分かった。

シェータリさんって、機関室にいるカカラックさんの奥さんだよね?」


「そうよ!とても優しくて綺麗な方よ!」


「そして大の俺好き。」


トマスはダルそうにそう言った。


「な、なんでトマス先輩のことが好きなんですかね?」


スターリィが少し緊張しながらも会話に混ざる。


「さあ?知らん。」


だが、ぴしゃりと言われてしまう。


スターリィ可哀想、と思ったテマだった。

お読みいただきありがとうございました!

クリュスタのモデルはとある国のとある小島です。

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