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テマのお届け物日記  作者: ななわ
ドトタル市編
10/25

明日はどこへ行く?

お手に取ってくださりありがとうございます!!

「さ、改めてこれからについて説明するからな。」


「はい。」


そこにいる全員が返事をした。


「ここクリュスタから次の目的地のドトタル市までは約10日ほどだ。途中補給で1度地上に降りるが…君らは船内待機なので気にしなくていいからな。」


「あ、テマ…お風呂…行けないね…。」


ネイアは私に小声で残念そうにそう囁いた。


「残念だね。」


「ドトタル市で行こうね。」


「うん、そうだね。

楽しみにしているね。」


そう私が言うとネイアは喜びを浮かべた表情をした。


私達がコソコソと小声で話をしていると、


「で、今からいつものブリーズからの予定表を配るぞ。」


と、そう言ってコール船長は


一人ひとりにそれぞれ違う紙を渡した。


「これは…?」


スターリィと私は口を揃えて言った。


「これは、ブリーズ社が用意している予定表だ。

これに、これからの各々の予定が書かれている。

次はどこでどのくらい働いて、どの港からどの船に乗るかというのが書かれている。」


「すごいですね…」


スターリィは目を輝かせて予定表を見ている。


「ああ、ブリーズの社員の管理能力はとてもすごいぞ。」


コール船長は自慢げに言う。


「これは船に君らが乗って、その船が次の目的地に出港する時に配られるからな。

よく覚えておくんだぞ。

仲良くなった友がいつ別れるかが分かるからな。」


これはよくできているな。

これらを管理できる人が本社にはいるんだろう。


それよりもそうか、友達と別れる可能性があるのか。

頭では分かってはいたけれど、嫌だなあ。


「じゃ、これから出港するから各自食堂の当番表見たり、予定表みといてね。」


そう言って


コール船長は私達のことを気にすることなく伝声管に声を乗せ始めた。


私とネイアとトマスとスターリィは当番表を見るために食堂に行く。


「テマ、いこ。」


と、ネイアに言われたのでコール船長のことは気にしないで着いていった。




コール船長side───


「カカラック、いけるか?」


「おうよ、バッチリだ。」


カカラックという、共にダンディライオン号に乗り整備士をしている男はそう答えた。


「んじゃまあ、行くかねぇドトタル市へさ。」


俺は周りの船を見ながら舵をきる。


「ドトタル市に会社の命令で来るのは、俺らは2回目か?」


カカラックがそう聞いてきた。


「そだな、懐かしいな。」


俺はテキトーに相槌を打つ。


「あそこの赤い街並み最近観光地として人気らしいぞ。」


「そうなん。」


「あと、一応俺らの故郷…だな。」


「…そうだな。」


俺は苦笑した。


「ふ、お前としては苦い思い出か?」


カカラックは誇らしげに笑った。


「ああ、そうだよ。」


はあ、と呆れていた時だった、


「懐かしいわね。」


綺麗な声が聞こえた。


「シェータリちゃん。」


シェータリちゃんはカカラックの妻であり…旧知の仲だ。


「カカラックがずーっと大声でうるさく話しているから気になって来ちゃったわよ。」


やれやれ、とため息をつく。


カカラックはどうしたのだろうか、と思ったが、考えるのを俺はやめた。


多分シェータリちゃんにお使いでも頼まれたか、いつも通りスパナで殴られて気絶しているのだろう。


「今度、ドトタル市なんだよ、行くの。」


「ふふ、聞いていたわよ。楽しみね。」


「そうなのか?

俺にとっては…」

お読みいただきありがとうございました!!

しばらくはコール船長視点+ドトタル市までの船旅編です。

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