表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/74

第61話 試してみよう

「フェリクス、ベルクさんは海賊と繋がっていないと思っていい?」


「はい、おそらく海賊討伐も自分たちでしたかったのではないかと思われます」


ベルクさんは侯爵から海賊討伐の話を聞いた可能性が高く、今後は自分たちでと周辺海域の巡回をしていたような気がする。


だから話したときのベルクさんの雰囲気からして、フェリクスの見立てで合っていそうな感じがした。



「今までは侯爵領に近い海域を巡回していなかったのかな?」


フェリクスが私見ですがと話してくれたのは、ベルクさんもフェリクスの今と同じような役職なのではないかという。


騎士団の服装ではなかったことから、商船の護衛や侯爵家の貿易を担っているのではないかということだった。


それなら巡回する時間はあまりないだろうし、巡回することに侯爵家から承認がでなかったのかもしれない。



「カーセル侯爵家には海軍がないということ?」


私の問いにフェリクスは、リカード隊長たちと同じなのではないかと言った。


カーセル侯爵家には海軍があると私は思いこんでいたが、騎士団との兼任なら海賊討伐に充てる人員がいなかったのかもしれない。


私のような特殊なスキル持ちがいればいいが、普通は数隻を組んで海賊討伐に行くはずだ。



「侯爵家の護衛や領地を守る騎士団と海軍、両方となると1貴族では負担が大きいと思います」


フェリクスの意見だ。


海賊が横行しているのならともかく、我が国では問題視されるほどではない。


私も今のところ海軍を作らない考えだからカーセル侯爵を批判できないが、貿易が活発な領地なのだから、自分たちが討伐に乗り出せば、商人たちからの信頼も厚くなるだろうに・・・・。



あとフェリクスからの報告で、この島の近くにある島を周遊していた時に、ベルクさんとかち合ったため、他は確認できなかったそうだ。


「フェリクス、この島を周遊してきてくれる?宰相様に報告するとベルクさんに言ったから、またかち合っても大丈夫だろう」


「承知いたしました」


フェリクスは苦笑いしていた。


私の言葉にベルクさんが、遠くから見張っている可能性があることに気づいたのだろう。


やっぱり、フェリクスは優秀だね。


私は得をしたけれど、ラクトゥーワ王国はもったいない人材を手放したな。





私はリカード隊長の船に移動して待っていると、2人の騎士が戻ってきて私に報告してくれる。


「ダニエル様、実はアジトの奥に洞窟があり、魔道具で中に入れない仕掛けになっています」


何とか解除できないか、リカード隊長たちが試しているそうだ。


そして言いにくそうに騎士が私に報告してきたのは、洞窟と同じ山だと思われる別の場所に、大きな滝を見つけたそうだ。



その滝の前にはかなり深い滝つぼがあり、数名の騎士が潜ったら洞窟内と繋がっている可能性がある、裂け目を見つけたらしいが、息が続かず断念したそうだ。


「私は海でしか潜ったことがないが、試してみよう」


私の素潜りは海に限定されるとはいえないから、やってみる価値はある。


「申し訳ありません」


自分たちの不甲斐なさを滲ませた騎士の声だった。



「急いで行こう」


リカード隊長たちがいる洞窟に私はたどり着いた。


「ダニエル様、申し訳ありません」


リカード隊長は私の側までやってきて謝ってきてから、現状を教えてくれる。


騎士の半分とナディーヤ、グリントのメンバーはもう少し先の方を調べに行っているらしかった。




私は早速、滝つぼがある場所へ案内してもらうが、10分もしないうちにたどり着いた。


滝はかなりの水量が流れており、滝つぼの深さもありそうだった。


4メートルほど潜ると、洞窟と繋がっているかもしれない裂け目があるらしい。



「ここで諦めて帰ってこられるより、報告に来てくれてよかったよ。1度行けるか試してみよう」


「申し訳ございません。裂け目の奥には一緒には行けませんが、騎士数人が一緒に潜って、裂け目近くまでご案内します」


リカード隊長に頭を下げられた。


ただ潜る前に、無茶はしないで欲しいとリカード隊長に念を押される。



リカード隊長としては、次期領主の私に危険を冒すことをさせたくはないが、洞窟内の確認もしたい気持ちもあるだろう。


まぁ、リカード隊長が洞窟から引き上げて来てから報告されても、私は試したいと言ったはずだから、時間を無駄にしないだけ、リカード隊長の判断は正しい。


早速私は滝つぼに潜って泳ぐが、海と同じように泳げ、息も苦しくなかった。



騎士たちの案内で裂け目まで迷わずに進めた。


裂け目から奥に行けそうなので、私はこのまま進むことにした。


水温が冷たいだろうから、騎士たちにすぐに浮上するようにジェスチャーで指示をだす。


騎士たちが浮上するのを確認後、裂け目をくぐり浮上する。



滝つぼより大きい泉だが、洞窟内を歩けるような場所があるか周辺を見渡すがなかった。


私はさらに奥に進み、行き止まりで浮上すると、歩ける一本道を見つけた。


私は水の中は強いが、陸に上がると弱い部類だと思う。


剣の練習はしていたが・・・・。


でも魔道具で入り口をふさいでいるのだから、海賊が何か隠している確率が高いはず。



ガルシアさんたちが作った剣やソードとかかもしれないし、マジックバッグを持っているから明かりもあるし、少し歩いてみて、危なさそうなら戻ればいいか。


洞窟内を照明魔道具で照らして、しばらく進むが何もなかった。



これ以上遅くなるとリカード隊長が心配しそうだから引き返そうとしたら、奥から声がする。


『まさかここまで人が来るとはな』


「えっ?!」


私は声が気になり、用心しながら奥に進むと大きな空間に出た。


そしてその空間は明かりがいらないくらい明るく、中央に50センチほどの亀が1匹、ポツンといた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ