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第31話 船内探索

父上たちを見送ったあと、ダルとナディーヤと3人で話し合いをするため、庭の景色が見える部屋に移動する。


「ダル、海賊を潰すというが、今回は一人で行くのは危ないぞ」


セドが言えば、ナディーヤも同意する。



「そうです。海賊の人数が不明ですし、陸から行くとなると島を横断して日数もかかります。海からとなると船がありません」


「この前、私が沈没させた海賊船なら、修理して乗れないかなって思ったんだけど、どう思う?」


「ダル、いい案だが、誰が修理して、操縦するんだ?」


「誰か探すよ、まずは海賊船を子爵領まで持ってこようと思う」



海賊船を子爵領にという私の案には、2人とも賛成してくれたので、私は早速行動に移すことにした。


海賊船を空いている桟敷に泊めてから、海からあがって、セドたちや王城の騎士がいる桟敷に行った。


ハンスが知らない30代ぐらいの体格がいい男性を連れていた。




「ハンス、どうしたの?」


ハンスと一緒にいる男性について聞きたかった私から声を掛けた。


「ダルに紹介したくて、俺の横にいる人はジャックさん、漁師船を作ってくれている人だ」


「もしかして、船の修理をしてくれる人?」


「あぁ、セドに頼まれたんだけど、どうかな」


「ハンスありがとう、船底に大きな穴があるから早く塞ぎたかったんだ」



早速、ジャックさんたちと海賊船に乗り込もうとしたとき、難破船とラクトゥーワ王国の船の警護をしている、王城の騎士の一人から声を掛けられた。


「ダニエル君、我々も一緒に行こう。大丈夫だとは思うが何があるかわからないからね」


王城の騎士たちに声を掛けられ、確かに危ないものとか、死体があるかもと、ハンスとジャックさんは船内の安全が確認できてから、乗り込んでもらうことにした。


船内に入り、各部屋を開けてまわるが、無人だった。


海賊たちはみな海に逃げていたようだった。



「攫われた人たちが船内に残されている可能性も考えたが、今回はなさそうでよかったよ」


騎士の方から言われて、私はハッとした。


「すみません、そこまで予想できませんでした。今回は本当に幸運でした」


「いや、私の考えは最悪の予想だし、とっさの判断で襲われていた船を助けたんだ。上出来だよ」


騎士の方は、私が攫われた人たちが船内にいる可能性を、まったく考えていないかったことに落ち込んだのがわかったのか、フォローしてくれる。


私が穴をあけた場所は側面だったようで、海水はあまり溜まっていなかった。


おそらく桟橋付近近くになった時に、船を持ち上げて傾けたのが功をそうしたようだ。



確認に付き合ってくれた騎士の方たちが、海賊船を降りる前に私はお礼を言った。


船内の確認が終わったためハンスとジャックが船に乗り込み、みんなで海水を取り除いた後は、ジャックとハンスに修理は任せて、私とセドとナディーヤは船内を詳しく調べていく。


机の引き出しや引き出しなど、なにか海賊に関してわかるものが残っていないか確認していった。



回収できるものは中身をここで確認はせずに、マジックバッグにしまって、子爵館で調べることにしている。


子爵館でないも置いていない部屋を教えて貰って、海賊船から持ち帰ったものをマジックバッグから取り出す。


「ダル、今回は剣とか武器がある程度で、アジトが解りそうなものはないもないな」


私が並べたもののほとんどは武器だった。



「そうだね。ただ、この机の引き出しに、すべて鍵がかかっていて、調べられなかったから持って帰ってきた」


セドが短いナイフで鍵を壊してくれたため、引き出しを開けていくと、中には手形と思われるものと30センチぐらいの正方形の金庫がはいっていた。


「金庫?鍵がないな」


私は机の引き出しを再確認したけれど見当たらなかった。



「中央の引き出し、机の長さに比べて浅いですね」


私が確認したあと、ナディーヤが見て指摘してきた。


そして引き出しを思いっきり引っ張ると、奥にもう一つの引き出しがあった。


奥の引き出しの中に鍵が1つあり、金庫の鍵だった。



金庫を開けるとマジックバッグが1つ入っていた。


セドがマジックバッグを見ている。


「あれ、このマジックバッグ、ダルが保有しているものと似ているな」


私もちょうどそう思っていたところなので、私のマジックバッグと並べると本当にそっくりだった。



「どこにでもあるマジックバッグだと思うよ」


私の説明に、ナディーヤが別の意見を出してくる。


「もしかしたら同じ錬金術師が作った魔道具かもしれませんよ」


「そういえば、おじい様は海賊を倒して手に入れたって言っていたような・・・・」


「もしかしたら、その時の生き残りの海賊が、同じところにアジトを作ったとか?」



セドの予想はいいところついているかもしれない。


でも海賊がなんでそんなに高価なマジックバッグをたくさん保有しているのかな?


今考えてもわからないし、私は金庫から出てきたマジックバッグに手を入れるが何も出てこない。



「やっぱり、個人登録されているようだ」


マジックバッグは他人に盗まれても中のものを取りだしできないように、本人登録をしている。


解除、名義変更は各ギルドでしてくれるが、本人同伴が基本だ。


盗難品と区別するためだ。本人が亡くなった場合は家族が相続できるが、家族証明手続を経て役所で承認が下りれば変更できる。



この場合は海賊船から出てきたものなので、役所に申請すれば解除してもらえるだろう。


これも父上に相談後かな。


なんかどんどん父上に相談しなくてはいけないことが増えている。


手紙を出せば返事が返って来るかもしれない。

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