衝突
「遥乃先生!初授業、お疲れ様です」教務室で授業の準備をしていると胡桃先生が私に近付いてくる。
「胡桃先生もお疲れ様です」
「私は見学してただけですし疲れてないですよ」
「見てるだけでも考え続けないといけないですし疲れますよね」
「それより、そろそろ授業の時間ですよ!遥乃先生。教室に行きましょ!」話すことに夢中になっている私に胡桃は教室に向かうよう言ってくる。
「そうですね」明日は休日。授業が終わったら胡桃先生を食事に誘おうと思った。
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「授業を始めます」
「櫻井先生」女子生徒の相坂優花が挙手をする。
「どうしましたか?相坂さん」
「椎名先生の授業を受けたいです」
「昨日も理事長から説明がありましたが今日から皆さんの授業は全て私が受け持ちます」
「先生は昨日みたいな授業するつもりですよね?」今度は男子生徒の香坂拓海が質問してくる。
「まぁ、そればかりでは無いですが。昨日のようなこともしますね」
「なら僕も椎名先生の授業を希望します」この2人は恐らくクラスのリーダーのような存在なのだろう。
「分かりました。では『投票』で決めましょう」
「『投票』ですか?」
「私か椎名先生、どちらの授業を受けたいか『投票』で決めるんです。月曜日に行うのでこの週末で良く考えて決めてください」
「はい」
「皆!椎名先生に票を入れて欲しい」
「あのさ。そういうのやめ時な」
「東さん、僕は椎名先生の授業を受けたいだけだよ」
「なら私は遥乃先生が良いかな」
「そう思うなら君は櫻井先生に『投票』するといい。まぁ、あの先生に『投票』するのは君以外にはいないだろうけどね」
「それはどうだろうね」それぞれの思惑が絡み合う中、投票日の月曜日を迎える。
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おまけ
「遥乃先生!今日は誘ってくれてありがとうございます」
「気にしないでください。胡桃先生」私は今日、胡桃先生と2人でカグラモールの商業エリアでステーキを食べている。
「美味しいです!こんな美味しいの初めて食べました!」
「満足して貰えて良かったです」
「よく、こんなお店見つけられましたね」
「初めてアカデミーに来た時にモール内を隅々まで見たんですよ。その時にこのお店で食事をしたんですけど美味しくて。私のお気に入りの店です」
「じゃあ、今度は私の行きつけの店に連れて行きますね」胡桃がそう言ってくれた。
「楽しみにしてます」この後、私たちはモール内を散歩してから各自、寮に戻った。
「胡桃先生との食事楽しかったな」こんな風に生徒とも仲良くなりたいものだ。
「明日も早いし、早く寝るか!」櫻井遥乃の1日が終わる。