椎名胡桃
「それでは、黒板に書いてある問題を協力して
解いてください」
「アクティブ・ラーニングですか」椎名先生が近付いてくる。
「さすがに遥乃先生なら知ってますよね。アクティブ・ラーニング」
「もちろん知ってますよ」
「さすがですね」
「椎名先生!」男子生徒が挙手する。
「どうしましたか?徳井さん」
「櫻井先生の授業を受けてみたいです」
「遥乃先生の授業は明日からです。今は私の授業だから集中してください」
「分かりました」生徒たちは授業に集中する。
「椎名先生、今日はありがとうございました」
授業が終わると18時までは部活があるようだ。全寮制なため19時までは自主練習することができるらしい。
「いえいえ!気にしないでください」
「これから飲みに行きませんか?」
「いいんですか?」胡桃が誘ってくれる。
「歓迎会みたいなものです」
「ありがとうございます!」
私は椎名先生と一緒に食事をすることになった。
「それにしても学校の敷地内なのに色んなのがありますね。娯楽やら医療施設やら」
「政府が管轄する学校ですからね」そういえばクライム・タワーも極秘だけど政治家が運営してたな。
「櫻井先生は以前はどこに務めてたんですか?」
「普通の学校ですよ」流石に本当のことは言えない。
しばらく歩いていると目的地に着く。
「着きました!」ここが胡桃のくる料理店らしい。
店内に入り早速、料理を食べる。
「美味しいですね!」
「喜んでもらえて良かったです」
翌日。
「遥乃先生!理事長に呼ばれてますよ」胡桃先生に呼ばれたため理事長室に行ってみる。
理事長室に着くとノックをして返事が来るのを待っているとすぐに「どうぞ」と、返事が返ってきたため中に入る。
「失礼します。櫻井です」
「櫻井先生でしたか。呼び出してすみませんね」
「ご要件はなんですか?」正直、なんで呼び出されたのか検討がつかない。
「あなたがあの施設から来た教師だということは知らせが来ているので知っています」
「そうでしたか」
「私が聞きたいのはあなたが何しにこの学校に来たのかと言うことです」
「理事長も知ってると思いますがこの国の少子化問題は深刻化しています」
「そうですね。この国にとって少子化はもはや死活問題です」
「そこで少子化を解決すべく上からの命令でこの学校に赴任してきました」
「そうだったんですか」どうやら理事長はなんで私が来たのか分かっていなかったらしい。
「すみませんが授業の授業をしないといけないので失礼します」早く準備しないと間に合わない。
「今日から授業でしたね。私も見学に行きます」
「そうですか。生徒に認めてもらえるように頑張ります」
「それでは失礼します」私は教務室に戻り授業の準備を再開する。
「遥乃先生、準備は出来ましたか」1時間目の休憩が終わった頃、胡桃に声をかけられた。
「準備出来ました」
「それじゃあ行くよ」私たちは教室に、向かって歩き出す。