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9/12

焦燥

早く2人でイチャイチャしてくれないかな…と

私が一番思っています。

これ、BLなの……?

さっき来た道を急足で戻る。

傘をさしていても、雨が当たってじれったい。


――バシャ…!!


「……!」

あぁ〜!もう!!最悪!


水たまりに思い切り

左足を突っ込んでしまった。

けど、今は切り替えようって

すぐに思い直せる。


だって……もうすぐまた、

時雨に会えると思うから…。


普段は右に曲がる家への道のりを、

曲がらずに直進し、

子供の頃よく通った公園へと足を進めた。


あ、この辺、見覚えある!

あのベンチ、よくサッカーゴールに見立てて

試合したんだよなぁ〜


公園を見渡して、時雨を探すはずが

ぽつぽつと小学生の時の思い出が蘇ってくる。


水田さんが見たという人は、

もういなくなってしまったのだろうか……。


1限に行く前って事は、1時間以上…

下手したら2時間前の出来事だ。


流石に、行き場が無くて

公園にたどり着いた人でも、

2時間以上雨に打たれ続けることは

避けたいはずだ…。


雨が避けられる場所に移動したのかも。

それこそ、昨日の駐輪場のような……


「あ、雨が避けられる場所!!」


一見遊具とベンチしかない公園にも、

雨を避けられる場所がある。


ドーム型の遊具の下にある空間だ。


子供の頃、俺たちはそこを

「隠れ家」と呼んで、ドロケイの牢屋にしたり、

ゲーム機を持ち込んで遊んだりもした。


公園の砂利が水を含んでいるせいか、

自分の足音がいつもよりも大きく聞こえた。


頼む…いてくれ……。


もはや祈るような気持ちで、

懐かしい遊具に近づき、しゃがんで中を覗く。


あ……!時雨だ!!!


「時雨!!」


直感が当たったことが嬉しくて、

服が泥や雨で汚れるのも気にならない。

狭くなってしまった入り口をくぐり抜けて、

時雨のそばにしゃがみ込む。


「時雨…?」

ただ眠っているだけだと思った時雨が、

全く反応を示さない。


「あっ…」

昨日と服装が一緒だ…。

雨宿りをしているが、今だって服が濡れて

肌が透けて見える。


指先はかじかんでいて、

前髪は額にしっとりと張り付いていた。


頬は赤いのに、それ以外の肌が青白い。

唇も血の気がないせいで、

余計に頬の赤さが目立つ。


時雨が今、具合が悪いのは一目瞭然だった。


「おい!時雨!!大丈夫かよ!」


時雨の肩を掴んで、軽く揺さぶる。

服は濡れてて冷たいのに、

指先を通して時雨の体温の高さがわかる。


ただの熱だと思いながらも、

時雨が今にも消えてしまう気がして

不安になった。


「時雨…。」


何度目かの呼びかけに、

時雨はゆっくりとまぶたを開いた。

ぼんやりとした時雨の眼差しが、

俺をますます不安にさせた。


「花火……。」

苦しそうな声ででも、時雨に名前を呼ばれて

思わずほっとしてしまう。


ようやく、時雨と目線が合った。


「時雨、家どこ?送るから!!」

早く家に帰らせないと…。

その一心で俺は時雨を起こしたのに、


「ごめん……。」


時雨はそう言って、

また深い眠りに入ってしまった。

混乱する俺を置きざりにして……。

ここまでお付き合いいただき、

ありがとうございました!

ストック出し尽くしたので、書き進めます〜

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