期待
いっぱい書いてしまいました…!
良ければお付き合いくださいませ!
昨日の出来事に、俺は意外と
浮かれているんだろうな。
いつもよりも余裕を持って、教室に着いてしまった。
朝、サボろうかと迷っていたはずなのに、
我ながら変わり身が早いなぁ…
チラホラと見慣れたメンバーに軽く挨拶をして、
教室の前から5列目。
出口に程よく近い、お気に入りの場所に座った。
「あれ、今日、花火早くね?」
小学生の頃からの腐れ縁、文人が
複数人の友達を連れて教室に入ってくる。
「おー、チャリが壊れたからな。
早めに家を出たんだよ。」
「へー、災難だったなぁ」
「いや、それがさぁ……」
そう言いかけて、口をつぐんだ。
「ん?なんだよ?」
文人が椅子に座りながら、
こっちを不思議そうに見てきた。
「や、ごめん。やっぱなんでもない……。」
「おいおい、寝ぼけてんのかぁ〜?」
そう言って文人は、他のやつと話し始めた。
危ない……。
まだ連絡先も聞けていないのに、
文人に時雨と会ったことを言いそうになった。
どうせ今、文人たちに言っても
俺と同じくらいの熱量で一緒に喜んでくれる
やつはいないだろう…
そんな子供みたいなことを考えていたら、
「花火!」
文人から呼ばれたことに、1テンポ遅れて気づいた。
「何?」
「今の話聞いてなかったのかよ…!
昔よく遊んでた公園に……。覚えてる?
あの時雨たちとサッカーしてたところ!」
最初は、少し興奮気味に話す文人に、
朝から元気だな〜と、
全く関係ないことのように受け流していた。
だが、文人の次の言葉に、
俺は居ても立っても居られなくなった。
「あそこにさ…、男が倒れてたのを
水田が見たんだってよ!!」
ここも治安が悪くなったよな〜
なんて、おっさんみたいなことを言う文人に
俺はもう返事をする余裕が無かった。
――昔、時雨と遊んだ公園
――雨の中倒れている男性
――昨日、傘を持っていなかった時雨……
たった今知った、
不審な男の目撃情報で頭の中はいっぱいだ。
根拠はないけど自信がある…!
って瞬間が俺には時々あるんだけど、
今まさに、その瞬間が訪れていた。
「水田さん、それマジ……!?」
「へ、うん。私が1限に行く前に見たから、
もういないかもしれないけど……。」
「マジか〜!!さんきゅ!!」
バッグから半分出しかけてた
ノートPCを閉まって、席を立つ。
「おいおい、2限は〜?」
「休むー!」
傘を引っ掴んで、バタバタと余裕なさげに
教室の出口へ駆け込んだ。
俺の突然の行動に、文人は多分引いている…。
そんな雰囲気を感じながらも、
今は全力で急ぎたい気持ちだった。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
次の更新は本日20時です。
更新サボってしまっていたので…1人懺悔デーです。