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花火

途中で出てくる「トリカー」は車を運転する

ゲームだと思ってください。

「トリオカート」と言います。

その日の帰り道、時雨を含めた

よく遊ぶ友達5人組の間に流れる空気は

妙に険悪だった。


良くない空気を生み出していたのは、

数分前のHRで時雨に「裏切られた」と

感じている俺で……。


(この日の俺は、何度思い返しても、

フォローできるところが一つもない!)


みんな、居心地の悪い空気を

感じ取っていたのだろう。


いつもよりも口数が減ってしまって、

学校を出て5分もしないうちに

俺たちの会話は途切れてしまった。


そして、その静寂は、俺が感情を吐き出すのに

丁度良いタイミングだった。


「クラスのみんなで…。

学級委員はやらないって約束したじゃないかよ。」


と、時雨に冷たく言い放った。


すると時雨は、俺の目をまっすぐに見つめて


「あれ以上、誰も立候補しない時間が続いたら、

今日の宿題が増やされそうだな…って思って……。」


「……へ?」


つっけんどんな態度の俺に怯むことなく、

時雨の声には迷いがなかった。


「あの人、教師のくせに、

俺たちに私情を挟むところあるじゃん。

俺、今日花火ん家でみんなとトリカーするの、

楽しみだったからさ…。」


そう言って、気まずそうに視線を逸らす時雨。


あいつの耳が、赤く色づいているのを

見つけた俺は、さっきまでの怒りが一気に

吹き飛んで、嬉しさと気恥ずかしさを

誤魔化すために抱きついたのを今でも覚えている。


いつもは静かで大人しい。


だけど時々、俺たちとは違った目線で

物事を見ている時雨に、憧れている男は

多かったと思う。


子供の頃に見ていたヒーローショーで例えるなら、

知的でクールなブルー担当というか…。

俺にとっての時雨は、そんなイメージだった。


とにかく、「時雨のことを気に入っている友達」は

クラスにいっぱいいたはずだ。


でも、時雨が「一番仲の良い友達」に、

俺の名前を挙げていたことは、

当時の俺にとっては密かな自慢の一つで…。


その唯一無二のポジションを

誰にも渡したくない、と本気で思っていた時期が

俺にはあったんだよ、時雨…。

花火と時雨のことをより一層好きになりました!!

それにしても、花火くん拗れてるけど

かっこいいね!!君が攻めかい!!?

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