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第七十六話
だけれど、どうしてもタグルークのいる巣窟へ繋がる道がわからないのだという。
「はやくしないとやばいんじゃねェの?」
隼人が言うと、ティユルシが頷く。
「ああ。はやく魂を取り返さねば、君の両親はちょっと再起に苦労してしまう。君もいつまでも夜風家に世話になるわけにもいかないし……」
「うーん」
二人が頭を抱えていると、「大変そうね」と光星が言う。その光星の頭に何かがゴツッと落っこちた。
「アハハ! がちおもろい」
「はっ倒すぞ。いったい何!?」
「ふむ」
ティユルシがそれに触れてみる。どうも、石ころのようだった。
「なんの変哲もない石ころだが……空から落ちてきたというのがちょいと気になる」
「確かに。なんか隕石みたいな感じでもなさそうだ」
「どっかで火山噴火したんじゃね」
「エーッ? クスクス」
「はっ倒すぞ」
隼人はその石ころを持ち上げてみた。
「あまり、重くないな。中は空洞かァ?」
「空洞っていうより石ではないのかもしれないな」
「誰の悪戯?」
「とも考えにくい……ふむ……一度地下に持ち帰ってみよう」
「だね」