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エクストラムマン  作者: 蟹谷梅次
物語の始/怪の一 エクストラムの遣い
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第七話

 老人はゆらゆらと揺らめいていて、隼人はぎょっとした。正太郎は咄嗟に勝平とその父を抱えて跳びのいた。


 隼人は尻餅をついて、咄嗟に転がって正太郎のところへ行った。


「なんだあのおっさん」

「いきなり現れたように見えたよ」


 勝平は震える声で言った。


「まさか本当にお化け!?」


 隼人の頭が痛む。頭の中でエクストラムの光が「刃を構えろ」と言った。隼人は唸って、その場にうずくまった。


「とりあえず……なにかやばい! 帰ろう!」


 正太郎の咄嗟の叫びに、四人は走り出した。


 先程歩き出してから数キロメートルも離れていない。駐車場はすぐそこで、駐車場を抜ければ、コンビニがある。


 そのはずなのに、どんだけ走っても、駐車場もコンビニの煌めきも見えてこなかった。


「おばけだ!」


 隼人は泣きながら叫んだ。


「本物のお化けが俺達に怒ってるんだ!」

「怖いこと言うなよ! なんで俺達が怒られなきゃいけないんだよ! ワンチャンお前かもしんねーけど、だとしたら心激狭じゃん!」

「自分の家にいきなり肝試しとか言って変な奴らが乗り込んで来たらみんな怒るだろぉ!? お化けはそれに怒ってるんだチキショーっ! 勝平の脅しに屈しなきゃよかった!」

「俺のせいだって!?」


 子供達が喧嘩するのを横目に、勝平の父は懐からスマートフォンを取り出して見る。


「ダメだ、圏外だ。お前は?」

「弾、家に置いてきちゃった」

「なーんで拳銃(コルト)持ってんの~?」

「不審者対策っすよー」


 隼人の背中にぞわっという感覚が走る。


「なんか来るっ! みんな地べたに伏せて!」


 なんだかわからずに、みんながベタン!と寝転がると、ありえない数のヒトダマが川のようになって走って行った。


「ヒッ、ヒッ、ヒッ、ヒッ、ヒッ」

「やば! おい正太郎さん隼人が狂いそう!」

「落ち着ける場所を探そう」

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