初めての一人暮らしの帰りに、、、。
私は20歳になって初めて一人暮らしをはじめる。
正直、夢見ていた一人暮らし。
確かに、家族と居る時間も楽しいのだが、一人で生活する事にも
憧れていた私。
やっと自分一人で生活していく覚悟もできた!
初めての社員としての仕事。
未だ新米で、失敗も多いがパートのおばちゃん連中をまとめて
売上を上げていく仕事に、ほんの少しだがやりがいも感じていた!
おばちゃん達は、私の母よりも年上で陽気なおばちゃんが多い。
特にその中でもリーダー的なおばちゃんは私を可愛がってくれた。
既に私はこのおばちゃんの孫のような存在!
私の意見をこのおばちゃんが後押ししてくれる。
とても私にとって良い職場になっていく。
・・・ただ地方の会社を選んだ私は、、、?
部屋探しがどんなものか分かっていなかった。
取りあえず、不動屋さんが言った部屋に決める!
家賃もそこそこで、オートロックもあり3階以上で安心かと思えた。
私の両親も、特に父親は私が選んだこの部屋を物凄く気に入った。
『いいじゃないか、この部屋なら若い女の子が一人暮らししても
大丈夫だろうな!』
『お父さん!』
『ワタシも凄くいいと思うわ! 日も当たるみたいだし。』
『そう、お母さん! 私もこの部屋見て直ぐに決めたのよ。』
『まあ、無理せず頑張ってみるといい!』
『嫌なら、辞めて家に帰ってくればいいのよ。』
『まだはじめたばかりよ。』
『ごめん、そうよね。』
『じゃあーお父さんたちは、もう帰るぞ!』
『えぇ!? 泊って行かないの?』
『ごめんね、亨之が家でお腹空かして待ってるから帰るわ!』
『琉、元気にしてる?』
『元気よ!』
『でも、お姉ちゃんが居なくて寂しそうにしてたぞ!』
『またお盆と正月は帰るから。』
『じゃあ、待ってるわ。』
『じゃあな。』
『うん!』
・・・この日、お父さんとお母さんはそのまま家に帰る。
狭い部屋が私にはこの日、物凄く広く感じた!
その日は簡単に晩ごはんを済ませて早めに寝た。
次の日の朝、なんだか両肩が重い。
私は気にせず、会社に向かう。
そこで職場にやたら霊感の強いおばちゃんが私を見て驚いていた!
『・・・ど、どうしたの?』
『えぇ!?』
『万純ちゃんの肩よ!』
『そうなんですよ、今日朝起きたらやたら肩が重くて、、、。』
『そりゃそうよ、“万純ちゃん、憑りつかれているわ!”』
『えぇ!? 憑りつかれている? まさか霊ですか?』
『そう、しかもかなり念が深い幽霊ね。』
『どうしたらいいんですか?』
『成仏させるしかないけど、わたしには無理よ! そんなにキツイ霊、
初めて見たわ!』
『・・・そ、そんなにヤバい霊なんですか?』
『えぇ、私の知り合いに凄い霊媒師が居るけど、頼んでみる?』
『はい! お願いします。』
・・・何処で私に憑り着いた霊かは分からないのだけど?
私は紹介された霊媒師さんに頼むことした。
でも? 私に霊媒師が会うなりこう言った!
『・・・お、俺の手には負えない!』
『えぇ!?』
『昨日、増子さんに話を聞いた時は“霊は一体と聞いていた!”』
『えぇ!? 一体じゃないんですか?』
『物凄い数だよ! 俺が見えているだけでも20体以上は憑いてるな!』
『・・・そ、そんな、』
『キ、キミ? ココの人間じゃないよね? 何処から来たの?』
『○○から来ました。』
『何処に住んでるんだい?』
『○○駅近くにある、○○マンションの508号室です。』
『・・・や、やっぱり、じゃあ不動屋は○○だね!』
『えぇ、なんで知ってるんですか?』
『あの不動屋、“殆ど事故物件を扱っている不動屋やで、特にあのマンション
の508号室は、成仏されてない霊が集まる場所なんだよ。”』
『・・・そ、そんな!? あの不動屋さんのオジサン私にお勧めだって、
笑いながら言ってたのに......。』
『あの不動屋のオッサンはそういう奴なんだよ。直ぐに部屋を出た方がいい!』
『でも? 引っ越してまだ3ヶ月で、お金もないし。』
『不動屋のあのオッサンに全額次の部屋も探させて引っ越したらいいんだ!』
『・・・で、でも、』
『“そうしないと? 君、3日も持たないうちに死ぬよ。”』
『・・・そ、そんな、』
・・・確かに、霊媒師のあの人の言う通りだった!
私に憑りついている霊は私の仕事帰りに私を本気で殺そうとしている。
急に赤信号の横断歩道で、誰かが私の背中を押して私は車に轢かれる
寸前で車が止まる。
『馬鹿やろう! 信号赤なのに渡ってんじゃねーよ!』
『・・・ス、スミマセン、』
他にも通り魔、お金目的で男2人にお金を取られる事もあった。
職場でもだんだんと私は孤立していく。
リーダー的なおばちゃんから何故か? 私は嫌われるようになった。
そこからはいつも一人で居る事が増える。
“一体、なんなのよ! なんで私だけ、”
この間にも、私に憑りつく霊は増えていく。
もう誰も私に憑りつく邪悪な霊を取り払えない!
私を見てくれたあの霊媒師も私にこう言ったわ。
『・・・も、もう手遅れみたいだ。』
『そ、そんな、どうにかしてください!』
『ただ、俺が言った3日は持たないはないようだな、キミを簡単に死なせる
事はキミに憑りついている霊もする気はないのだろう、でも、この途轍もない
数の霊が一人のひとに憑りついているのは俺も初めて見たよ。』
『・・・も、もう、どうしていいのか分からない!』
『“ごめんね、もうキミを助けようがない所まで来ている!”』
『・・・あの不動屋は?』
『何処かに逃げたらしい、もう店はもぬけの殻だ!』
『・・・そ、そんな、無責任だわ。』
『ココに引っ越して来なかったら? こうなってなかっただろう。』
『・・・・・・』
私の命を私に憑りついている無数の霊が握っている。
ただ私に死なれては困るのだろう。
“器がなくなる事は、彼らの居場所がなくなるという事!”
私には災難しか降りかからない!
20歳と言う若さで、私はもう死んだも同然の生活を送っている。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。




