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宝を手にする者は


 戦線復帰したカイト、セアン、ラージュが加わり、六対一というカイトたちが有利な状況になった。前線で戦っていたケアノスとライアは後ろに下がり、カイトたちの援護を行おうとした。


「行くぞ!」


 刀を構えたカイトは走り出し、同時にセアンが走り出した。


「フン! 二人で突っ込むつもりか。このまま殺してやる!」


 ロガンは右手に巨大な魔力の剣を作り出し、二人に向けて振り下ろした。二人は横に散らばって攻撃を回避し、ロガンの後ろに回った。


「背後から来るつもりか。甘い!」


 ロガンは振り返り、近くにいたセアンに向けて剣を振り下ろした。だが、セアンはロガンの目に向けてハンドガンを発砲した。


「ウオッ!」


 間一髪でロガンはハンドガンの弾丸を回避したが、額には飛び上がったカイトがいた。


「なっ! しまった!」


「隙ありだぜ!」


 カイトはロガンの額に向けて刀を振り下ろした。刀の刃はロガンに命中したのだが、カイトの動きが止まり、そのまま下に落下した。


「カイト!」


 心配したセアンがカイトに近付き、様子を見た。


「大丈夫? 怪我をしたようには見えないけど」


「怪我はないけど……くぅ……手が痺れる。あいつの額、岩のように固い」


 カイトの言葉を聞いたセアンはロガンの顔を見て、傷がないことを知った。


「どうやら、魔力で顔の部分の防御力を高めたみたい」


「フハハハハハハ! どんな手を使おうが、貴様らはワシに傷を与えることはできぬぞ!」


 と、ロガンは自慢げに笑い出した。しかし、注射器を持ったラージュがロガンに接近し、注射器を刺した。


「ぬおっ! 何をする!」


「あらまぁ、注射器の針は刺さるのね。これならよかった」


 そう言って、ラージュはロガンに液体を注入した。ロガンは近くにいるラージュに向けて腕を振るったが、ラージュはジャンプして攻撃を回避した。


「貴様! 一体ワシに何をした!」


「何って、私が作った万能薬よ。モンスターエキスって毒みたいなものだから、万能薬で解毒できるかどうか試したの」


「無駄だ! どんな薬を使っても、このワシには通用せん!」


 ロガンは大声でこう怒鳴ったが、突如ふらつき始め、その場で片膝をついた。


「むぅ! 何だ……この酔いのような気持ち悪さは……力が抜ける」


「今よ、二人とも! 一気にあのじーさんをやっつけて!」


 ラージュはロガンの近くにいるカイトとセアンにこう言って、攻撃を促した。武器を持った二人はロガンに接近し、同時に攻撃を仕掛けた。二人の武器はロガンの体に命中し、深い傷を作った。


「え……攻撃が通る」


「さっきみたいに硬くない。滅茶苦茶柔らかい」


「ぐおおおおおおおおお! クソが!」


 ラージュの薬により、皮膚が柔らかくなってしまった。そう察したロガンは後ろに下がり、魔力を使って再び体を固くしようと試みた。しかし、セアンのハンドガンがロガンを襲い、カイトが水の魔力を使ってロガンを攻撃し始めた。


「グアアアアア!」


「今のうちに攻撃だ! 倒せるぞ!」


 ロガンを倒すなら今がチャンスと思ったライアはロガンに向かって飛び上がり、ナイフで攻撃を始めた。それに続いてカイトとセアンも攻撃を続け、ロガンに大きな傷を与えた。


「グ……グオオオオオ! このクソガキ共が!」


 大声を上げながら、ロガンは魔力を開放してカイトたちを吹き飛ばした。強い魔力を使ったせいで、ロガンは体力も魔力も使ってしまった。早く戦いを終わらせねば。そう思いながら、ロガンは呼吸をしていた。しかし。


「まだ私がいるわよ」


 レイピアを構えたケアノスが、ロガンの腹の近くにいた。早くケアノスをなんとかせねば。そう思いながらロガンはケアノスに攻撃を仕掛けたが、その前にコスタが放ったライフル弾がロガンの右肩を撃ち抜いた。


「これであなたは攻撃できない」


 コスタは小さくこう言った。その直後、ケアノスの強烈なレイピアの一撃がロガンの腹に命中した。




 吹き飛んだカイトたちは走ってケアノスの元に駆け付けた。カイトたちが戻って来たのを察したケアノスは、カイトたちの方を振り返った。


「これで終わったかしら」


「多分……終わったって思いたい」


 カイトはそう答え、動かないロガンを見た。死んでしまったのかと思ったカイトはロガンに近付こうとしたが、何かを察したラージュが叫んだ。


「気を付けて! あいつ、まだ何かするつもりよ!」


「え?」


 カイトが声を出した時、セアンとライアが大声を上げて驚いた。


「あいつ! ウラミニクシーミを!」


「まずい、まだ戦うつもりだ!」


 ロガンはウラミニクシーミを手にし、不気味な笑みを浮かべていた。ライアは早く動いてロガンからウラミニクシーミを奪おうとしたが遅く、ロガンの強化された魔力によって吹き飛んだ。


「フフフ……船長がこいつを持っていたおかげで助かったよ。こいつのおかげでワシはまだ戦える。どんな傷を負っても、どれだけ魔力を使っても、恨みと憎しみの力があれば勝機はある!」


 ロガンがそう言った直後、紫色の毒々しいオーラがロガンの全身を纏った。少ししてオーラは消えたが、そこから現れたのは紫と緑が混じったような肌の色になり、モンスターのような姿となったロガンが立っていた。


「フフフ……フハハハハハハハ! さぁ戦いを再開しようではないか! これで……どちらが倒れ、どちらが生き残るか決まる……グハハハハハハハハハ!」


 ロガンは狂ったように笑いながら、カイトとセアンに襲い掛かった。


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