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ロガンを追い詰めろ


 モンスターエキスを使ってパワーアップしたロガンは、カイトを蹴り飛ばして重傷を負わせた。セアンとラージュはカイトの治療のため一旦戦いから抜け、ロガンの相手をコスタたちに任せた。コスタは特殊な粉が入ったライフル弾を使い、ロガンに攻撃を仕掛けた。


「ぐ……ぐぐ……」


 粉を吸い込んだロガンは呼吸をしながら立ち上がった。だがその瞬間、左足に力が入らなくなり、その場に崩れた。


「何と! 力が抜けた!」


「今だ!」


 ロガンが片膝を崩した直後、ライアはナイフを持ってロガンに斬りかかった。ライアのナイフの攻撃に対し、ロガンはすぐに見切ってナイフを掴み、ライアに反撃をしてやると思った。だが、目の前が急に歪んだ。そのせいで、ライアの攻撃を見切ることはできず、攻撃を受けてしまった。


「グウッ!」


 モンスターエキスの影響で、体が肥大化したが、防御力も上がっていたため、大した傷ではなかった。


「まずいな、結構攻撃したのに全然効いていない」


 攻撃が効いていないことを察したライアは後ろに下がり、コスタとケアノスにこう言った。


「防御力も上がっているようね。魔力を使って攻撃した方がいいわね」


「うん。私も魔力でライフル弾を作って攻撃するよ」


 コスタは魔力を開放し、ライフル弾を作り始めた。その時、ロガンが襲い掛かって来た。


「そんなことをさせるか! 今のうちに殺してやる!」


 ロガンは魔力で作った大剣を右手で掴み、大きく振り回した。ケアノスとライアはコスタを担いで攻撃をかわし、ロガンから距離を取った。


「待て! 大人しくすれば楽に殺してやる!」


「待てって言われて待つ人はいないよ!」


「だったらこちらから向かってやる!」


 ロガンは強く地面を蹴って飛び上がった。しかし、再び目の前の視界が歪んだ。


「おのれ! ライフルを使うガキ! お前、一体何を使った!」


 コスタは苦しむロガンを見て、こう言った。


「神経混乱薬。これを使えば、体の神経が混乱を起こして体が思うように動かなくなる。もちろん目にも効果がある」


「ぐ……クソッ! ふざけた真似をするな!」


 悔しそうに叫んだロガンだったが、そのまま空中で態勢を崩し、地面に落ちた。


「ググ……やっと……目が……戻った」


 歪んだ視界が戻った後、ロガンは立ち上がった。だが、周囲には治療しているカイトたち以外の姿はなかった。


「フッ、仲間を捨てて逃げたか。大人しく逃げればよかったのだ」


 コスタたちが逃げたと思ったロガンは、カイトたちを殺すいい機会だと考えてカイトたちに近付こうとした。しかし、突如後ろから激痛を感じた。


「な……何……」


 背中を触ってみると、何かが空いたような感触と、手に何かが付着した感触がした。手を見て付着した物を見ると、それは血であった。


「よし! 命中!」


 ライアの喜ぶ声が聞こえた。周囲を見回すと、宝の中に隠れているコスタたちの姿を見つけた。


「ガキ共が……ワシの宝の中で……何をしている?」


「ワシの宝? 元々は人様の物でしょうが! 


 ケアノスはレイピアを構えて飛び上がり、攻撃を仕掛けた。レイピアの強烈な一突きはロガンの体を貫き、新たに傷を付けた。その後、続けて魔力を開放したライアが飛び出してロガンに接近し、ナイフで攻撃を仕掛けた。


「グオオオッ!」


 攻撃を受けたロガンは声を上げながら、後ろに下がった。ケアノスとライアは合流し、後ろに下がったロガンの様子を見た。攻撃を受け続けたロガンだが、まだ魔力と体力はあると二人は思い、追撃すると反撃を受ける可能性があると考え、後に下がってコスタと合流した。


「あいつ、まだ体力と魔力あるみたいだね。モンスターみたいだ」


「ええ。モンスターエキスのせいで、体力が上がったみたいね」


「時間がかかりそう。もっと頑張らないと」


 三人はまだ倒れないロガンを見て、こう呟いた。




 攻撃を受け続けたロガンは、気分がよくなっていくのを感じた。コスタから受けた神経混乱薬の効果が切れてきたと考え、にやりと笑った。


 よし。これなら反撃ができる。


 そう思ったロガンは魔力を開放し、大きな剣を作り出した。


「よくもワシに傷を与えたな! 絶対に許さんぞ、ガキ共! 必ず殺してやる!」


 ロガンは三人に向かって大剣を投げて攻撃を仕掛けた。しかし、大剣は途中で二つに斬られて地面に落ちた。地面に落ち、消えていく大剣を見たロガンは驚いていた。


「な……何故剣が……」


「さっきの攻撃、滅茶苦茶痛かったぜ。二回もこの洞窟で怪我したよ。お前にやられた分、きっちりと返してやるぜ」


 大剣を斬り落としたのはカイトだった。セアンとラージュによって回復したカイトは刀を構え、ロガンに攻撃を仕掛けた。


「クソッ! お前は死にかけたはず! どうしてぴんぴんしているのだ!」


「人を勝手に殺すな! セアンとラージュを甘く見るなよ、二人はお前よりも強い!」


 カイトの言葉を聞いたロガンはブチ切れ、右腕に魔力を込めてカイトに殴りかかった。カイトは刀でロガンの攻撃を防御し、後ろに下がった。


「小僧……貴様は必ず殺す!」


 そう言ってロガンはカイトに襲い掛かったが、セアンのハンドガンがロガンに命中し、ラージュの大剣がロガンに命中した。


「グフォッ!」


 攻撃を受けたロガンは後ろに吹き飛び、柱に激突した。すぐに立ち上がったロガンだったが、頭から血が流れている血を拭い、大声を上げながら立ち上がった。


「これ以上好き勝手はさせぬ。このままお前たちを殺し、この洞窟をお前たちの墓にしてくれる!」


「やれるものならやってみろ! クソジジイ!」


 カイトはこう言葉を返し、それと同時にセアンたちは武器を構えた。


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