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ロガンとの戦い


 ライアはロガンの存在に気付き、驚いて茫然としていた。リティーヒの部下の日記に書かれていた裏切り者が目の前にいたことに動揺していたのだ。


「うわー、あのおじいちゃんがリティーヒを裏切った奴だったのか」


「ライア、注意して。あのおじいちゃん、かなり強いかもしれないわ。雰囲気が他の海賊とは違う」


 と、コスタはライアにこう言った。ロガンは武器を握るセアンとケアノスを見て、にやりと笑った。


「それじゃあお望み通り話をしよう。リティーヒ船長の言う通り、ワシは奴らを裏切って宝を横取りしようとした。だが失敗し、長年の年月を経て、今再び宝を狙いに来た」


「分かった。じゃあどうなるか……分かるよね?」


「長年の経験があると言っていた。もちろん、理解できている!」


 と言って、ロガンは素早く右手に剣を持ち、セアンとケアノスの武器を振り払った。だが、セアンとケアノスは素早く宙に浮いた武器を掴み、ロガンに攻撃を仕掛けた。セアンとケアノスは素早い動きで攻撃を仕掛けたが、ロガンはこの攻撃を全て受け流していた。


「グッ!」


「二対一なのに……強すぎる!」


「経験があると何度言わせる? 不利な状況での戦いは何度も経験した! 二対一という状況も何度も経験した! そして、相手を倒した!」


 ロガンは二人の隙を見て、一閃を浴びせた。セアンとケアノスが後ろに吹き飛ぶ中、攻撃の隙を見てコスタがライフル弾を放った。


「甘い。そんな鉄砲玉がワシに効くか」


 しかし、ロガンは飛んでくるライフル弾を斬り落とした。ロガンが剣を振り下ろしたタイミングを見て、ライアはナイフを持ってロガンに襲い掛かった。


「ほう。斬られに来たか」


「斬られるのはあんただよ!」


 ライアはロガンと斬り合いを始めた。素早く、二本のナイフでロガンに攻撃を仕掛けたが、ロガンはそれ以上の速さで剣を動かしていた。


「は……早い。目で追えない……」


「鍛えればこの位の速度で剣を振れるぞ」


 そう言って、ロガンはライアの腹に蹴りを入れ、怯んだ隙に一閃を浴びせた。


「がはっ……」


「終わりだ。死ね」


「そうはさせるか!」


 ロガンがライアに一撃を与えようとしたその瞬間、カトラスを構えたセアンがロガンに斬りかかった。このセアンの動きを見抜けなかったロガンはセアンの一撃を受け、片膝をついた。


「ぐ……一緒に行動していたじゃないか。情ぐらいあると思ったが」


「あんたと一緒に行動していたけど、怪しいと思っていたから、どのタイミングで敵対しても何にも思っていないよ」


「フッ……そうかい。それじゃあこっちも容赦なくやってもいいってことかい! それならこっちもやりやすい!」


 ロガンは魔力を開放し、セアンに斬りかかった。セアンはロガンの一閃をかわし、宙に浮いている間にハンドガンをロガンに向けて発砲した。ロガンは迫ってくる弾丸を斬り落としたが、その隙に背後にいたライアがナイフでロガンの背中を刺した。


「グフウッ!」


「私のこと、忘れないでね」


「グッ……まだ生きていたのか……」


「悪いけど、あの程度の攻撃で私たちは死なないわよ」


 と、レイピアを構えたケアノスがこう言った。ロガンは口から血を流しながらケアノスを睨んだが、それに構わずケアノスはレイピアの刃をロガンに突き刺した。


「うわー、すごい勢いで刺したね」


 ケアノスの攻撃を見ていたセアンは、驚きの声を上げながらこう言った。そんな中、セアンの傷を手当てしていたコスタがこう言った。


「大人しくして、私の腕じゃあしっかりとした治療できないの、知っているでしょ?」


「ごめん」


 セアンは地面に座り、コスタからの治療を受けていた。




 ケアノスの攻撃を受けたロガンは、刺された個所から激痛を感じていた。リティーヒの宝を横取りするため、ロガンは長い年月をかけて体を鍛えていた。その結果、片腕の強い剣士がいるという噂が小さい範囲ではあるが、流れたりもした。


 体を鍛え、剣の腕を鍛え、そして生きるために人殺し、盗みなどを働いて生きて経験を積んだロガンは自分が強いと思っていた。


 しかし、老いには勝てなかった。経験と剣の腕でピラータ姉妹を倒せると思っていたロガンだが、彼女らのコンビネーションによって大きな深手を負った。


「ぐ……こうなったら……仕方ない!」


 ロガンは強い魔力を開放し、ケアノスから受けた傷を治療した。魔力が解放された瞬間に強い衝撃が発したため、近くにいたケアノスとライアは吹き飛ばされた。


「ケアノス! ライア!」


 セアンは立ち上がって二人の元に行こうとしたが、目の前にロガンが現れた。


「おっと、あの二人の元へは行かせないぜ!」


「どけ! ジジイ!」


 セアンは怒りに任せてロガンに斬りかかった。カトラスの刃はロガンの肩に命中したが、下に動かなかった。


「なっ!」


「傷を治すついでに、体を固くしたのじゃよ」


 と言って、セアンを殴った。ロガンはセアンを殴り飛ばした後、剣を持って近くにいるコスタを睨んだ。


「あのライフルを撃ったのはお前じゃな? こんな豆鉄砲がワシに効くか」


「うるさい! 消え失せろ、クソジジイ!」


 コスタは素早くショートソードを手にし、ロガンに斬りかかった。だが、その前にロガンが素早く剣を振り上げ、コスタを一閃した。


「あ……」


「銃の腕はそれなりじゃが、剣の腕は三流じゃのう。そんな剣の腕でワシはおろか、果物や野菜も切れぬぞ」


 と言って、ロガンは一閃を受けて怯んだコスタを壁に向かって蹴り飛ばした。セアンたちを一蹴した後、ロガンは首を回してこう言った。


「これで終わりか? つまらんのう」


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