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リティーヒの大技


 追い込まれたと思ったコスタとライアだったが、セアンとケアノスの救援により状況を覆すことができた。しかし、追い込まれたリティーヒは魔力を使ってウラミニクシーミに魔力を込め、部下のガイコツを呼び寄せて合体した。


「行くぞ! 俺と部下の攻撃を受けろ!」


 合体したリティーヒは更に巨大になった腕でセアンに攻撃を仕掛けた。セアンはカトラスでリティーヒの攻撃を防いだが、重い攻撃はセアンの足を地面にめり込ませた。


「セアン!」


「フハハハハハ! メスガキが俺たちの攻撃を防いでも無駄だ! たった一人で俺たちの力を越えられるものか」


 リティーヒは笑いながらさらに力を込めた。力を緩めたら押しつぶされると思ったセアンは、魔力を開放して衝撃波を放った。リティーヒの腕が上に上がった瞬間、セアンは急いで後ろに下がり、ケアノスたちの元へ戻った。


「はぁ……はぁ……あいつの力、とんでもなく強いよ。逃げなかったら潰されていたよ」


「見たら分かるわ。でも、どこを狙うかは変わらないはずよ」


「うん。早くウラミニクシーミを壊そう!」


 ケアノスの言葉を聞き、セアンはもう一度再びウラミニクシーミに向かって走って行った。ケアノスはコスタとライアの方を向き、口を開いた。


「さぁ、援護をするわよ」


「了解!」


「任せて!」


 ケアノスはセアンの後を追いかけ、コスタはスナイパーライフルを構えた。ライアはリティーヒの不意を突くためにセアンとケアノスとは別の所から攻撃をしようと考えた。


「フン! いくら攻撃をしようと無駄だ! 合体した俺たちに勝てるものか!」


「やってみないと分からないよ、デカブツガイコツさん!」


 セアンはそう言って高く飛び上がった。またウラミニクシーミを狙うのかと思ったリティーヒは体の骨を動かし、腕を作り出した。それを見たセアンは声を出して驚いた。


「うげぇ! 骨を動かして腕を作った! そんなのあり?」


「部下の骨がある分、自由に新たな腕を作れる! 動かせる! どうあがいてもお前たちに勝ち目はない!」


 作り出した腕で、リティーヒはセアンを掴んだ。下にいるケアノスは骨を踏み台にしてセアンを助けようとしたのだが、余っている骨がケアノスに向かって飛び、脇腹に命中し、深くめり込んだ。


「ガハァッ……」


「ケアノス!」


 苦痛の表情をするケアノスを見て、セアンは叫んだ。その時、不意打ちを行おうとしたライアがリティーヒに接近しようとしていた。しかし。


「甘い! 多数の部下と合体したと言っているだろう! その分周囲もよく見える! お前が不意打ちをしようとしていたのも分かっていた!」


「嘘でしょ! 滅茶苦茶だよ!」


 この言葉を聞いてライアは驚いた。その直後、セアンを掴んでいた新たな腕がライアに向かって振り下ろされ、セアンとライアは財宝の山に向かって飛んで行った。


「ああ! やりすぎた、俺の大切な財宝ちゃんが!」


 この時、リティーヒは一瞬だけ隙を見せてしまった。今がチャンスと思ったコスタはスナイパーライフルの引き金を引いた。放たれた弾丸はウラミニクシーミに向かって飛んで行った。発砲音を聞いたリティーヒはため息を吐いてこう言った。


「バカだな。そんな弾丸ではウラミニクシーミを壊せない。さっき知ったはずでは?」


 人を見下すようにリティーヒは笑みを浮かべた。しかし、コスタも笑みを浮かべていた。


「知っているわ。なら、別の所を狙えばいいだけ」


「別の所?」


 その時、コスタが放った弾丸がウラミニクシーミの紐をかすった。それを知り、リティーヒは動揺した。ウラミニクシーミは弾丸に強いが、紐は弱いと。


「クソッ! 紐を狙ったか! 卑劣な真似を!」


「ネックレス……というかウラミニクシーミの紐ね。そうか。ウラミニクシーミを壊せなくても、奴からウラミニクシーミを外せばいい!」


 コスタの行動を察したセアンは、ウラミニクシーミの対策を知った。ライアはナイフを構えた。


「ナイスだよ、コスタ! セアン、私たちで紐を斬ろう!」


「オッケー! 弱点が分かれば、後はどうにでもなる!」


 財宝の中にいたセアンとライアはそう言うと、魔力を開放した。吹き飛ぶ財宝の中で立つセアンとライアを見て、リティーヒは動揺した。




 ロガンはホッとしていた。飛んで来たリティーヒの部下の骨が誰一人自分に気が付かなかったからだ。


 ふぅ。今の状態であの娘たちと戦っても勝てる自信がない。


 ロガンは心の中でそう思いながら、ピラータ姉妹とリティーヒの戦いを見ていた。


 ワシが殺したようなものでこう思うのもおかしいが、頑張れ船長。あのガキ共を殺してくれ。


 と、ロガンは心の中でリティーヒを応援した。


 一方、動揺しているリティーヒだったが、部下の頭蓋骨が声をかけた。


「船長、戦っている時にこのことを言うのもあれですが……」


「どうした? 今、ウラミニクシーミの対処法を小娘たちが察してピンチの状況だぞ。どうにかしないと」


「それもそうですが一応耳に入れてほしくて」


「今の俺に耳はない」


「そういう意味じゃなくて! 話を聞いてくださいってことです! あの裏切り者がこの近くにいます!」


 部下の言葉を聞き、リティーヒは驚きの声を上げた。その声を聞いたセアンとライアは驚いたが、それに構わずリティーヒは部下に話を続けた。


「そうか。あの野郎がここにいるのか。なら、この戦いに負けるわけにはいかない。お前ら! 魔力を開放しろ! 俺たちの力があれば小娘四人なんて秒殺だ!」


 その声を聞き、部下の頭蓋骨たちは大声で返事をした。


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